696話 ページ47
「ただいま」
玄関から声が聞こえて、慌てて起き上がった。
今は、いつも通り。
何も感じ取らせてはいけない。
演じるんだ、彼が安心できる黒瀬Aを。
『おかえり』
寝室から出て零さんを出迎えた。
「ああ。…寝てたのか？」
『ううん。ちょっとハロと遊んでた』
零さんを出迎えるようにハロも足元に寄ってきた。
『晩御飯、どうしようか？何か作ろうか？』
「だいぶ寒くなってきたし、鍋にしようかと思うんだが」
『ああ、いいね。俺すき焼き食べたい！』
「了解」
上着を脱いでキッチンに向かう零さんについていこうとすると…。
「Aは休んでろ」
『え。一緒に作らないの？鍋なら俺でももう出来るよ』
「熱あるだろ」
ドキッと心臓が一層音を立てた。
なんで分かるんだ…。
超能力者か…。
『大丈夫だよ。微熱だし。あ、でも移しちゃったらいけないか…』
とりあえず今は大人しく引き下がったほうがよさそうだ。
これ以上空元気を演じたところで、零さんなら見破ってしまう。
『でも、どうして分かったの？熱あるって』
「それぐらい分かるさ。どれだけ一緒にいたと思ってる」
『…そっか』
いつもなら嬉しい言葉なのに…、胸が痛む。
お互いに、きっと依存しているんだ。
離れたら、きっとダメになる。
でも、このままもダメな気がする…。
一体、どうしたらいい…？
「…どうした？やっぱり具合悪いならお粥にしようか？」
『ううん、食欲はあるから。すき焼き食べたい』
零さんは心配そうに俺を見つめていたが、てきぱきと鍋の準備を始めた。
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096 - ちぃさん» 読んでいただきありがとうございます！深く考えていただき、嬉しい限りです…！人の数だけいろんな行動の仕方があると思います。葛藤の中で得た黒瀬の決意を、これからも見守ってあげていてください！ (2019年12月22日 21時) (
レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 別れたからってなにもしないのではなくて、世界を変えれないのなら影からサポートしたり守ったりするかも､､､。唯一の方法かなと思いました。 (2019年12月22日 1時) (レス) id: 13503def23 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - やっと読めました、自分ならどーするか考えました。大好きな世界の均衡を保つ為、大好きな人を守る為にも、零さんから恨まれるくらいに嫌われてから別れるかなーって。全てが終わった時にもう一度始めからやり直す選択をするかも知れないですね。 (2019年12月22日 1時) (レス) id: 13503def23 (このIDを非表示/違反報告)
096 - りんねむさん» コメントとお気遣い、ありがとうございます！一気読みお疲れさまでした！これからも頑張りますので、よろしくお願いします！ (2019年12月17日 14時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
りんねむ(プロフ) - 初コメ失礼致します。ここ数日で最初から一気に読んじゃいました！とっても面白いです！無理なさらぬよう、更新頑張って下さい！陰ながら応援しております！(*^^*) (2019年12月16日 18時) (レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：096 | 作成日時：2019年11月26日 23時
