695話 ページ46
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『…ああ、どうりで』
家に帰り、ズキズキと痛む頭に嫌な予感がしつつも熱を測ると案の定だった。
高熱ではないが、体がだるい。
「くぅん…？」
『…ハロ、大丈夫だよ。もう少ししたら散歩に行こうか』
そう言って頭を撫でると、ハロは俺の体調不良に気づいてかふるふると首を振った。
『……賢いなぁ、お前は』
ペットは飼い主に似るって言うけど、ハロも順調に零さんに似てきている。
ごろんとベッドに横たわって、天井を見上げる。
何が許せないって…零さんを疑ってしまっている自分自身だ。
零さんが組織のボスの名前――烏丸のことを知っているのかは知らないが、俺からは何も言えない。
工藤新一のことも。
彼の立場は分かっているのに。
全てを理解して、今まで一緒にいたのに。
『…そういうことか』
思い当たる感情に、自嘲的な笑みを浮かべて呟いた。
怖いんだ、俺は。
零さんに捨てられてしまうことが。
日本を守るために、俺を切り捨てていいと…そう思っていたのに、欲が出てしまったようだ。
こんなこと、許されるわけない。
やっぱり、距離を縮めすぎた。
俺は彼に、道を踏み外させてしまった。
出会うべきじゃなかったんだ…、俺たちは。
一番理解できるはずだったのに…、彼を守りたい一心でそばにいたのに…結局は枷になってしまっている。
でも一方で、彼を独りにはできない。
もう失わせてはいけないという感情もある。
真逆の感情たちが、ごちゃごちゃと胸を締め付け、吐き気がする。
もう分からない…、どうすればいいのか…。
きっと工藤夫妻や赤井さんは、俺のこの感情に気づいていたんだろう。
だからあんなこと言ったんだ。
物語は、確実に結末へ向かっている。
これ以上…関わっていいのか…？
首元にかかる指輪を取り出して、その内側に刻まれたイニシャルを眺める。
零さんのイニシャルが刻まれた指輪と、彼が持ってる俺のイニシャルが刻まれた指輪を…交換できる日は、本当に来るのだろうか…。
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096 - ちぃさん» 読んでいただきありがとうございます！深く考えていただき、嬉しい限りです…！人の数だけいろんな行動の仕方があると思います。葛藤の中で得た黒瀬の決意を、これからも見守ってあげていてください！ (2019年12月22日 21時) (
レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 別れたからってなにもしないのではなくて、世界を変えれないのなら影からサポートしたり守ったりするかも､､､。唯一の方法かなと思いました。 (2019年12月22日 1時) (レス) id: 13503def23 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - やっと読めました、自分ならどーするか考えました。大好きな世界の均衡を保つ為、大好きな人を守る為にも、零さんから恨まれるくらいに嫌われてから別れるかなーって。全てが終わった時にもう一度始めからやり直す選択をするかも知れないですね。 (2019年12月22日 1時) (レス) id: 13503def23 (このIDを非表示/違反報告)
096 - りんねむさん» コメントとお気遣い、ありがとうございます！一気読みお疲れさまでした！これからも頑張りますので、よろしくお願いします！ (2019年12月17日 14時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
りんねむ(プロフ) - 初コメ失礼致します。ここ数日で最初から一気に読んじゃいました！とっても面白いです！無理なさらぬよう、更新頑張って下さい！陰ながら応援しております！(*^^*) (2019年12月16日 18時) (レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：096 | 作成日時：2019年11月26日 23時
