【名探偵コナン】異世界の訪問者14《男主》

692話 ページ43

『ところで、どうして日本に？新一くんのフォローってだけじゃないんでしょう？』


本題を促すと、優作さんは一つ頷いた。



「黒瀬くん。君はFBIの彼の死の偽装を誤魔化すことに関わっていたのだから、当然組織のことは知っているね？」

『ええ。まぁ…』

「では、組織のボスについては？」

『それは何も知りませんけど……羽田棋士が殺害され、彼が残したダイイングメッセージから、組織のNo.2であるラムは“あさか”という人物ではないか…と、赤井さんとコナンくんから聞いてます』

「もう一つ、ある名称が浮かんだんだ」


黙っていた沖矢さんが赤井さんの声で口を開いた。



「あのダイイングメッセージ、“ASACA”と“RAM”の2つの単語に分けるのではなく、あの8文字で1つの名称になるのではないか、とね」



分けずに、1つの名称に…？


頭の中で8つのアルファベットを様々に組み合わせていく。



すると、この世界に来てよく聞くようになった大富豪の名前が出来上がった。

この世にはもういない、この世界の日本で一番強大な人物――…。




『“CARASUMA”……。烏丸…。烏丸蓮耶…』




その名を呟いた瞬間、ぞくりと背筋が凍った。




『まさかそれが…組織のボスの名前…？』


思っていた以上に敵は強大で、世間への影響力も凄まじいようだ。




「…赤井くんが言っていたように、君はとても頭が冴えているようだな」


優作さんに言われて、沖矢さんを見やる。




「彼が言ったんだ。このことは、君にも伝えたほうがいい。君は組織壊滅のための重要人物だから、とね」

『…は、!?ちょ、何言ってんだよ!?』


思わず沖矢さんに詰め寄った。




『俺は何も知らないし、組織壊滅に向けて大きく動くつもりもない…！そんなことしたら――…！』



この世界の均衡が崩れる、という言葉を工藤夫妻の手前飲み込んだ。





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