686話 紅の修学旅行 ページ37
「その文字の間隔を直しちゃいけなかったのよ!」
「これが、映画で流れるはずだったスタッフロールだ」
馬山さんがスマホを見せる。
そこには俺が見た、歪に並ぶスタッフキャストの名前があった。
「5人の名前を同時に出したのも、景子ちゃんと私が名前を変えたのも、文字の間隔を歪にしたのも…この出栗未智男の名前を、我々の名前と同時に出すためだったんだ」
そのスタッフロールを見た瞬間、阿賀田さんは自分の勘違いに気づいて涙を溜める。
「ほんとは、原作者として名前を出したかったんだけど、新たにギャラが発生するのは困るとプロデューサーに言われて、この形にしたんだ」
「暗号好きの彼なら、気づいてくれると思って…。実は卒業制作の映画もこうなってるのよ。彼への感謝の気持ちをこめて」
「出栗の親友だった君にも、彼と一緒に驚いて欲しくて黙ってたんだ…」
もっと早く、この事実が伝えられていたら、誰も死ぬことはなかったはずだ。
でも、起こってしまったことは…起こしてしまったことはもう変わらない。
泣き叫ぶ阿賀田さんの声が、清水の舞台に響く。
すれ違いが起こした遣りきれない結末を迎え、事件は幕を閉じた。
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096 - ちぃさん» 読んでいただきありがとうございます!深く考えていただき、嬉しい限りです…!人の数だけいろんな行動の仕方があると思います。葛藤の中で得た黒瀬の決意を、これからも見守ってあげていてください! (2019年12月22日 21時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 別れたからってなにもしないのではなくて、世界を変えれないのなら影からサポートしたり守ったりするかも、、、。唯一の方法かなと思いました。 (2019年12月22日 1時) (レス) id: 13503def23 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - やっと読めました、自分ならどーするか考えました。大好きな世界の均衡を保つ為、大好きな人を守る為にも、零さんから恨まれるくらいに嫌われてから別れるかなーって。全てが終わった時にもう一度始めからやり直す選択をするかも知れないですね。 (2019年12月22日 1時) (レス) id: 13503def23 (このIDを非表示/違反報告)
096 - りんねむさん» コメントとお気遣い、ありがとうございます!一気読みお疲れさまでした!これからも頑張りますので、よろしくお願いします! (2019年12月17日 14時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
りんねむ(プロフ) - 初コメ失礼致します。ここ数日で最初から一気に読んじゃいました!とっても面白いです!無理なさらぬよう、更新頑張って下さい!陰ながら応援しております!(*^^*) (2019年12月16日 18時) (レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年11月26日 23時