【名探偵コナン】異世界の訪問者14《男主》

685話 紅の修学旅行 ページ36

「…まぁ、その付箋もスピーカーも自 殺騒ぎに乗じて回収するつもりだったでしょうから、おそらく貴方の指紋がついてるはずですけどね」


ようやく誤魔化しが通用しないと理解したらしい阿賀田は必死の形相で逃げようとした。



「くそっ！どけ！ガキ共ーっ!!」



野次馬のように集まっていた修学旅行生に突っ込んでいくが、その学生たちに拳銃を突きつけられ足を止めた。



まぁ、学生じゃなくて京都府警の人達なんだけど。




「すんませんなぁ。あんさんを警戒させへんために、京都府警は昔着てた学生服で修学旅行生のフリをしてくれって頼まれしもて」


学ランを着た綾小路警部の言葉に、観念した阿賀田さんは崩れ落ちた。



「けど分からんなぁ。なんで遺体にコブ2個もつけたんや？」


それは俺も気になっていたところだ。




「コブ取り爺さんだよ。悪い爺さんは良い爺さんのマネをして、天狗の怒りを買い、コブを2つ付けられたから…。まぁ、景子が撮影中に転んでコブを作ったのを見て今回の計画に取り入れたんだけどね」

『…動機は、出栗さんの名前がスタッフロールになかったから？』



そう言うと、阿賀田さんは悔しそうに俯いた。




「…ああ。出栗が試写室でしばらく呆然としてたことを、打ち上げ会場にいたあいつらに伝えたら、こう言ったんだ…。“そうか、そんなに驚いてたか！やったな、大成功だ”ってね」



きっとそれは、言葉の解釈違いだ。




「でもそれって手違いだったんですよね？」

「僕もそう思って、スタッフに確認したら戸惑ってたよ。確かにスタッフロールは修正したけど、誰かの名前を削ったんじゃなく、文字の間隔を直しただけだって。だからあいつらは最初から、出栗の名前を入れるつもりなんかさらさらなくて！ただ嘲笑うために出栗を初号試写に呼んだんだ！」

「それは違うわ！阿賀田くん！」



泣き叫ぶ阿賀田さんの前に、鞍知さんと馬山さんが現れた。




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