【名探偵コナン】異世界の訪問者14《男主》

677話 紅の修学旅行 ページ28

「安室さんか？」

『うん。そっちは？』

「母さんに連絡したんだ。景子さんと知り合いらしいからな。まぁ、本名は京子っていうらしいけど。重要なところで電話を切られちまったが…」


そう言っていた新一のスマホが振動する。



「ん？園子からメール？」


そのメールを見た瞬間、新一の表情が変わった。




『…どうした？』


メールから目を離さず、呆然としている新一。
気になってその画面を覗き込むと、写真が添付されていた。


写真に写っているのは蘭と、新一にそっくりの男。
胴着を着て竹刀を持っていることから、彼が噂の沖田総司くんだろう。


件名には“妻の浮気現場だよん”というからかいの文章の語尾にハートマークが付けられている。





『あらら、浮気されてるの？蘭さん、あまりに新一くんが帰ってこないから、顔がそっくりな沖田くんに乗り換えちゃった、とか？』


からかうようにそう言うと新一は顔面を蒼白にさせて俺を見た。




『え。ご、ごめん…』



その表情があまりにも絶望的で、つい謝ってしまう。



「おい工藤。何見とんねん」

「っ!?」



そんな状態の新一に服部が襖を開けて声をかけてきた。

それにすらビクッと反応する新一。




「あ…いや…」

「行くで」


部屋にいたメンバーが出てきて店を出ようとする。



「行くってどこに？」

「祇園ホテルや」

「西木さんが、あのホテルの喫煙部屋を予約しようとしたら、最初は満室だって断られたのに、その電話中にキャンセルが出て、部屋が取れたらしいんだ。ちょっと気になるよな」



最後に個室から出てきた世良が説明してくれた。




「あ、ああ…そうだな……」

『…君が気になってるのは別の事のようだけど』



悪戯な笑みを浮かべて彼を見て、俺も先に歩く面々の後を追った。




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