650話 紅の修学旅行 ページ1
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エレベーターを降りて廊下を急ぐと、西木さんの部屋の前で鞍知さんたちが立ち尽くしていた。
その顔面は蒼白だ。
「どうしました!?景子さん!!」
部屋の中を覗くと、胸から血を流して倒れている西木さんがいた。
『どいてください』
部屋に入り、西木さんの様子を確認する。
新一と世良もしゃがみこんで様子を見る。
『…死んでるね』
脈はもうなかった。
「刺殺か…。それにこの頭のこぶ…」
西木さんの額には2つのたんこぶが出来ていた。
不自然なのは、仰向けに倒れた西木さんの右ひざが、椅子の背凭れに引っかかっていること。
それに床とベッドに散らばったたくさんの紙と付箋。
「なぁ、さっきみんなでラウンジで食事するって言ってなかったか?」
「ああ…、あの後、それぞれ一旦部屋に戻って支度してから」
「10分後にこの部屋に集合してから行こうって事になったんだけど…」
「いくらドアベルを鳴らしても返事がないから、ボーイさんにドアを開けてもらったら、その有様で」
新一は遺体を見て考え込んでいたが、突然顔を上げて振り返った。
「どうした?」
「いや、肩に何か…」
そう言う新一の肩に、何か水滴のようなものが落ちるのが見えた。
ふと天井を見上げ――…。
「「『ッ…!!』」」
その光景に思わず息を呑んだ。
天井に赤黒い何かが飛び散っている。
それはまるで――…。
『血天井…』
「ああ。しかも…」
その血飛沫のようなものから、赤黒い足跡が窓に向かってついていた。
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096 - ちぃさん» 読んでいただきありがとうございます!深く考えていただき、嬉しい限りです…!人の数だけいろんな行動の仕方があると思います。葛藤の中で得た黒瀬の決意を、これからも見守ってあげていてください! (2019年12月22日 21時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 別れたからってなにもしないのではなくて、世界を変えれないのなら影からサポートしたり守ったりするかも、、、。唯一の方法かなと思いました。 (2019年12月22日 1時) (レス) id: 13503def23 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - やっと読めました、自分ならどーするか考えました。大好きな世界の均衡を保つ為、大好きな人を守る為にも、零さんから恨まれるくらいに嫌われてから別れるかなーって。全てが終わった時にもう一度始めからやり直す選択をするかも知れないですね。 (2019年12月22日 1時) (レス) id: 13503def23 (このIDを非表示/違反報告)
096 - りんねむさん» コメントとお気遣い、ありがとうございます!一気読みお疲れさまでした!これからも頑張りますので、よろしくお願いします! (2019年12月17日 14時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
りんねむ(プロフ) - 初コメ失礼致します。ここ数日で最初から一気に読んじゃいました!とっても面白いです!無理なさらぬよう、更新頑張って下さい!陰ながら応援しております!(*^^*) (2019年12月16日 18時) (レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年11月26日 23時