検索窓
今日:123 hit、昨日:390 hit、合計:720,585 hit

555話 ページ6





「飲みなさい」



ホテルの一室に連れ込まれ、ベッドの上に下ろされると、いかにも怪しい小瓶を差し出された。


飲みたくないのに、体はその瓶を受け取り大住の命令を素直に聞いてしまう。




『ん、く…』


ごくん、と瓶の中の液体を飲み込むと、更に頭が朦朧としてきた。




「いい子だね。さて、君はどこから送り込まれた人間かな」


優しい口調で問いながら、大住は俺の上着を脱がしていく。

力が入らない体では、その手をとめることができない。



必死に理性を抑えることに集中する。




『お、れは…』


言ってはいけない。


俺のためじゃない。

零さんのために…!



『ッ…!』


力を振り絞って、自分の唇を噛んだ。
鉄の味が口内に広がる。



痛みで、自我を取り戻す。




「…拷問慣れしているのかな。なかなか度胸があるじゃないか。そういう子ほど、屈服させたくなるね」



俺の首筋に顔を近づけ、べろりと舐めあげられるとぞわりと鳥肌が立った。




『は、なせ、変態…ッ!』


金縛りにあったかのような体を無理矢理動かし、大住の鳩尾に蹴りを食らわす。



「か、はっ!」



大住はベッドから転げ落ち、鳩尾を押さえて蹲る。



会場で人質の保護は始まっているはずだ。
早くここから逃げないと…。


火照った体を引きずりながら、壁伝いに部屋を出る。





『は…、く、そっ』



だが薬の効果は思ったより強いらしい。
力尽きて廊下の途中で蹲る。




「ここまでだな。キズモノになるが…薬漬けにしてやる…!」



拳銃のセーフティーバーが外される音が背後から聞こえた。



首を動かしそちらを見ると、大住が俺に拳銃を向けていた。




556話→←554話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (509 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
957人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 男主   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

096 - さつまいもさん» ありがとうございます!頑張りますので、これからもよろしくお願いします! (2020年1月7日 11時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
さつまいも - そう言っていただけると有難いです…。最新話まで読ませていただいております。とても面白いです!寒い日が続いていますので、無理をしない程度で更新頑張ってください。 (2020年1月7日 2時) (レス) id: 13761fb567 (このIDを非表示/違反報告)
096 - さつまいもさん» いえいえ!とんでもないです!私もまだまだ勉強中なので、おかしな点がありましたらまたご指摘いただけると幸いです! (2020年1月6日 15時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
さつまいも - 返信遅れまして大変申し訳ございません(^_^;)そうでしたか…やはり口を挟むような結果になってしまい、申し訳ないです。コナンの作品中に東京駅が出ていることは初めて知りました。新しいコナンウンチクが増えました。ありがとうございます(笑) (2020年1月6日 2時) (レス) id: d0e080215b (このIDを非表示/違反報告)
096 - さつまいもさん» ご指摘ありがとうございます。架空都市として東都が使われているようですが、首都名は東京で正しいようです。実際コナンの作品中にも東京駅が出てきています。この辺ややこしくて、私も最初困惑しました(笑) (2019年12月30日 22時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:096 | 作成日時:2019年10月4日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。