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584話 ページ35

「ぅ…」



ベッドの上の零さんがうめく声が聞こえて思わず駆け寄った。


風見さんにあんなことを言っておきながら、やはり彼を失うことが今の自分にとって一番恐ろしいのだ。


うっすらと目を開けた零さん。



「降谷さん!降谷さん、分かりますか!?」

「…かざ、み…?」

「ああ、よかった…。ここは病院です。勝手ながら、彼も呼ばせていただきました」

「……?」


零さんが眉を顰めたのが気になったが、俺は彼の顔を覗きこんだ。



『無事でよかった…』


無事を心から安堵していた俺に、今朝の嫌な予感はまだ終わらないといった風に、彼の言葉が突き刺さった。







「…きみ、誰だ?」






『「え」』



俺と風見さんの間抜けな声が重なった。



しっかりと、零さんは俺の目を見て、誰だ、と聞いた。




これは…まさか記憶喪失?
でも、風見さんのことは認識していた。

じゃあどうして俺だけ…?





『……俺は真白楓って言います。風見裕也の親戚です。たまたま病院で会って、裕也の上司の貴方が意識不明って聞いて心配してついてきたんです』

「は、おい、何を…っ」



風見さんの口を手で塞いで、零さんに向き直る。




『医師を呼びますね。裕也を少し借ります』



ナースコールを押してから、俺は風見さんの手を引いて病室を出た。





「おい、黒瀬くん!どういうつもりだ!?」

『聞いたでしょ、零さんは俺のことを忘れてる。頭をぶつけた衝撃の記憶欠乏症か、まだ頭が混濁しているだけか分からないけど俺の存在は零さんを更に混乱させてしまう』

「…どうして?」



気づいてないのか、風見さんは。
まぁ、零さんが上手く隠しているんだろうけど。




説明するのも面倒なので、手っ取り早く首にかけているチェーンを引っ張り出した。





『こういうことだよ。零さんが記憶を戻しても、気づいていないフリをしてあげて』



チェーンの先にかかった指輪を見て、風見さんはぽかんとしたあと、声にならない悲鳴を上げた。





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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 男主   
作品ジャンル:アニメ
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096 - さつまいもさん» ありがとうございます!頑張りますので、これからもよろしくお願いします! (2020年1月7日 11時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
さつまいも - そう言っていただけると有難いです…。最新話まで読ませていただいております。とても面白いです!寒い日が続いていますので、無理をしない程度で更新頑張ってください。 (2020年1月7日 2時) (レス) id: 13761fb567 (このIDを非表示/違反報告)
096 - さつまいもさん» いえいえ!とんでもないです!私もまだまだ勉強中なので、おかしな点がありましたらまたご指摘いただけると幸いです! (2020年1月6日 15時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
さつまいも - 返信遅れまして大変申し訳ございません(^_^;)そうでしたか…やはり口を挟むような結果になってしまい、申し訳ないです。コナンの作品中に東京駅が出ていることは初めて知りました。新しいコナンウンチクが増えました。ありがとうございます(笑) (2020年1月6日 2時) (レス) id: d0e080215b (このIDを非表示/違反報告)
096 - さつまいもさん» ご指摘ありがとうございます。架空都市として東都が使われているようですが、首都名は東京で正しいようです。実際コナンの作品中にも東京駅が出てきています。この辺ややこしくて、私も最初困惑しました(笑) (2019年12月30日 22時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:096 | 作成日時:2019年10月4日 13時

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