535話 ページ36
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夜になり、ロケバスに乗って警視庁前に移動する。
台本を見ながら台詞の確認をしていると、清水が声をかけてきた。
「黒瀬さん、ここのシーンなんですけど…」
自分がどういう風に演じたいのかを持ちかけてきた清水に、役者としての向上心を感じる。
『ああ、分かりました。じゃあ俺もそこは――』
代役で、潜入捜査の一環とはいえ、懸命に頑張っている若者を邪魔するわけにはいかない。
「ありがとうございます！一緒にいい作品作りましょうね！」
にこりと笑う青年は、とても純粋で眩しく見えた。
それから互いのことを話しつつ、台本を読み合いながら話していると現場に着いた。
夜の警視庁前は人通りが少ない。
こんな形でここを訪れる日が来るとは思わなかったな。
現場にはすでに撮影スタッフが待機しており、すぐにテストが始まった。
立ち位置やカメラ位置を確認しながら立ち回る。
ワンシーン終えるとカットの声がかかった。
「黒瀬くん、ちょっといいかい」
『はい』
監督に呼ばれて駆け寄った。
何やら神妙な面持ちをした表情に、何かマズイことでもしただろうかと焦る。
「君さ……、本当に素人？」
『え？』
「素晴らしいよ!!どこでそんな演技を身につけてきたんだい!?」
『いえ…何も…』
相手を騙すためだけに身につけてきたスキルだ。
「いやぁ、もっと早く出会いたかったな…。本番もその調子でね！」
『分かりました』
まぁ、褒められているみたいだし、よしとしよう。
「黒瀬さん、凄かったです…！引き込まれそうになっちゃいました！僕も負けませんよ！」
キラキラとした目で俺を見る清水に苦笑いを返す。
「それじゃあ、本番行きます！よーい、スタート!!」
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「いやぁ、よかったよ2人とも！これは反響が楽しみだなぁ！」
本番テイクを一発で撮り終え、ご満悦の監督。
周りのスタッフもうんうんと頷いていた。
「黒瀬くん、来週にはキャストが発表されて、無名の君はまだ受け入れられないかもしれない。でも、この1話の最後で、それを覆せる。僕はそれを確信したよ。改めて、これからよろしくね」
監督に握手を求められ、握り返した。
こうして、下心がありながらも、俺は役者としての道を歩むことになったのだった。
……まぁ、これが最初で最後だけど。
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096 - 竜呀さん» ありがとうございます!!いえいえ、とても伝わってきて嬉しいです…！これからも頑張りますので、楽しみにしていてください！ (2019年10月4日 13時) (
レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
竜呀 - 096さん» あぁぁ、もう好きです...、!!無事尊死できました。ありがとうございます。も、もう..語彙力が無さすぎて申し訳ないんですが、もう本当に好きです、此れからも更新頑張って下さい、口元ニヤニヤさせながら、楽しみにしてます。 (2019年10月3日 23時) (レス) id: 1cb8427f4e (このIDを非表示/違反報告)
096 - 熊さん» 久しぶりの甘い展開、悶えていただけてよかったです！笑 (2019年10月3日 16時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
熊 - あぁぁぁぁヤバい尊い…二人とも可愛すぎますね、無事悶え死にました。 (2019年10月2日 23時) (レス) id: cb6c87cd7b (このIDを非表示/違反報告)
096 - 架印�靴気�» ありがとうございます！そう思っていただけているなら、嬉しいうえに励みになります！これからも頑張ります!! (2019年10月1日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：096 | 作成日時：2019年9月9日 13時
