【名探偵コナン】異世界の訪問者《男主》

39話 探偵たちの夜想曲 ページ40

もうどうにでもなれと、思ったことを言うと、窓を開け換気した毛利さんと電話を終えた蘭がこちらを見た。



『盗聴器を探しているときにあらかた部屋を見たけど、洗濯機の中には男物の服ばかり。靴棚の中にも男物。いくら兄と一緒に住んでいたからと言って、女物が何一つ見つかりません』

「ええ。それは僕も確認しました。そしてこの部屋の住人が、先日起こったある事件に注目していたのは確かですね」

『…銀行強盗事件、ですね』
　

テレビを確認すると、録画されている番組はニュースばかり。
　

デッキの中には先日起こったばかりの銀行強盗事件のニュースだけ切り取られて編集されている。


『これ、みてください』
　
リモコンを手に取り、少し早送りする。
　
銀行強盗に撃たれた男性の通夜が行われたという報道。

そこに映った被害男性は、樫塚さんが待ち受けにしていた…兄。
名を、庄野賢也。


『被害男性の庄野さんが本当に樫塚さんの兄だとすると…』

「ええ。本当に兄なら偽名。それとも、兄妹関係ではなかったか…」

「じゃあここは誰の家なんだ!?圭さんの兄なら、今朝のニュースを編集できるわけがねぇぞ？」

「まぁ、住んでいたのが誰にせよ、こんなニュースやワイドショーをわざわざ録り溜めているということは、よほどの犯罪マニアか、犯人に復讐を目論む、被害者遺族か、もしくは、強盗犯本人と考えた方が、自然ですよね。とにかく、もう少しこの部屋を調べてみましょう。といっても、もう寝室にあったパソコンくらいしか調べるものは残ってませんけど」



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