32話 探偵たちの夜想曲 ページ33
「あの、大丈夫ですか、黒瀬さん…」
蘭が心配そうに顔を覗き込む。
『…すみません、ちょっとびっくりして』
「そうですよね…、お水持ってきますね」
蘭が台所に引っ込み、入れ違いにトイレから出てきたのは、安室さんとコナン、毛利さんと…見知らぬ黒髪の女性だった。
その口元と手首が僅かに赤くなっている。
テープで口を塞がれ、縛られていたのだろうか。
一人、トイレで男が亡くなっていたらしく、その手には銃が握られ、銃口は自分に向いていたらしい。
すぐに警察が来て、やって来たのは小太りの、あの目暮警部。
女性がソファに座り、事情聴取が始まった。
俺もだいぶ回復したため、安室さんの隣に控える。
「では、こういうことかね?樫塚圭さん。貴女はコインロッカーの捜査を毛利くんに依頼するためにここを訪れたが、毛利くんの助手と名乗る男に出迎えられ、スタンガンで気絶させられて、気がついたらガムテープで拘束され、トイレに押し込まれていたと」
「はい。逃げないようにブーツを脱がされ、靴紐まで抜かれました」
「そして、毛利くんたちが戻ってきて、トイレに貴女を監 禁しているとバレたと焦ったこの男は、銃口を自分の口に入れて発砲し、自 殺したというわけですな?」
「は、はい…」
「しかし、あの男は何の目的で貴女をトイレに?」
「ずっと、質問攻めにあっていました。この鍵はどこのロッカーの鍵だ、言わないと殺すぞって…」
「目暮警部」
そこへ入って来たのは、確か、高木刑事だ。
「鑑識の調べでは樫塚さんの身体や衣服からは、ほとんど発射残渣は出なかったようです」
「つまり、あの男は自 殺。樫塚さんの証言は、事実だということか…。よし、まずはそのコインロッカーの所在を割り出し、自 殺した男の目的を突き止めろ」
「はい!」
俺は被害女性、樫塚圭さんを見つめる。
涙を浮かべるこの女は…本当に真実を述べていたのか?
直感が、僅かな靄を感じとっていた。
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096 - ゆずりはさん» 返信遅くなってしまいすみません…!2週目嬉しいです!改めて楽しんで頂けると幸いです! (12月5日 20時) (レス) @page23 id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずりは(プロフ) - 2週目読ませて頂きます!黒瀬くんめちゃくちゃ好きです!♡ (11月14日 20時) (レス) @page2 id: c114e89f61 (このIDを非表示/違反報告)
096 - はるさん» 返信遅くなってしまい申し訳ありません!2回目読んでいただきありがとうございます!!ハロと出会うのは444話です! (2022年9月13日 15時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
はる - すごく面白いです!!!ストーリー読みやすくて、2回目を見てます((笑。 聞きたいことがあって、ハロと出会うシーンって何話でしたっけ?思い出せなくて、、、 (2022年8月11日 17時) (レス) id: 9c65c52711 (このIDを非表示/違反報告)
096 - みこさん» ありがとうございます!とても長いですが、ぜひ楽しんでください! (2019年8月21日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年1月30日 17時