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24話 ページ25

ぼんやり考えながら窓の外を見ていると、少し先でお婆さんの鞄をひったくる男が目に入った。


「ひったくりよー!」
 

その叫びと同時に俺はシートベルトを外した。



『安室さん、車止めて下さい』

「え、はい」
 

安室さんは一瞬戸惑ったようだったが、ゆっくりと車が減速しだす。
 
完全に止まる前に俺は車を飛び降り、ガードレールを飛び越えた。
 


すぐそこに迫ってきた男に向かって構える。



「どけぇぇ!!」
 

帽子を目深に被った男が突進してきた。
その胸倉を捕まえ、男を背負い投げた。



「ッ!!」
 

地面に伏せった男の背後をとり、腕を捻り上げる。


「いっ、痛っ…!!」
 
その腕から鞄を取り上げる。
 

よかった、間に合って…。
 

ホッと息をついて男をとり押さえていると…。


「黒瀬のお兄さん!?」
 

男が走ってきたほうからコナンが駆けてきた。


『コナンくん』
 
コナンは驚いたように俺を見つめている。



「ひったくりって声が聞こえて…、黒瀬さんが捕まえたの?」

『はは、体が勝手に動いちゃって』
 

そう話していると、騒ぎを聞きつけた警察が駆け寄ってきた。
 
男を警察に突き出して、取り返した鞄をようやく追いついてきたお婆さんに渡した。

「ありがとうございます…!ありがとうございます…!」
 
人前で何度も頭を下げられ、さすがに照れた。



「黒瀬さん!」
 
車を路肩に停めたらしい安室さんがやってきた。



「まだ走ってる車から飛び出すなんて!」

『すみません。じっとしていられなくて…』
 
眉を下げて笑うと、珍しく安室さんは溜息をついた。


「無茶しないで下さい。肝が冷えました」
 
流石に少し申し訳なくなる。
でも、黙って通り過ぎるなんて考えはなかった。
 

これでも警察官だ。
目の前の悪事を黙って見過ごせはしない。
 

警察から簡単な事情聴取を受け、すぐにそこから解放された。



「黒瀬さんは、柔道とか習っていたの?」
 
事情聴取が終わるまで安室さんと一緒に待っていたらしいコナンが聞いてきた。


『ああ、うん。学校で習ったんだ』

「学校…?体育の時間とか?」
 

警察学校、とは言えず、かといって体育の授業であんな背負い投げなんて習わない。
部活、とでも言えばよかったと後悔しても遅い。


『えっと、体育系の学校でね』

「…へぇ」
 

コナンも安室さんも疑いの目で見ている。
 
本当、この世界に来てから油断しすぎだぞ、自分。


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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 男主   
作品ジャンル:アニメ
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096 - ゆずりはさん» 返信遅くなってしまいすみません…!2週目嬉しいです!改めて楽しんで頂けると幸いです! (12月5日 20時) (レス) @page23 id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずりは(プロフ) - 2週目読ませて頂きます!黒瀬くんめちゃくちゃ好きです!♡ (11月14日 20時) (レス) @page2 id: c114e89f61 (このIDを非表示/違反報告)
096 - はるさん» 返信遅くなってしまい申し訳ありません!2回目読んでいただきありがとうございます!!ハロと出会うのは444話です! (2022年9月13日 15時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
はる - すごく面白いです!!!ストーリー読みやすくて、2回目を見てます((笑。 聞きたいことがあって、ハロと出会うシーンって何話でしたっけ?思い出せなくて、、、 (2022年8月11日 17時) (レス) id: 9c65c52711 (このIDを非表示/違反報告)
096 - みこさん» ありがとうございます!とても長いですが、ぜひ楽しんでください! (2019年8月21日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:096 | 作成日時:2019年1月30日 17時

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