20話 ページ21
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『ん……』
差し込む光と鳥の鳴き声に目を覚ました。
目を擦り、身体を起こして辺りを見渡す。
あ、そうだ、ここは安室さんの家…。
寝て起きたら元の世界、なんてことはないようだ。
人の気配がしない。
時計を見ると昼を過ぎている。
思ったより疲れていて、寝すぎてしまったらしい。
ローテーブルの上にラップが掛かったサンドイッチと、横に書置きが残されていた。
“仕事に行ってきます。ゆっくり休んでください。出掛けるのもいいですが、戸締りをお願いします。サンドイッチ食べてください。 安室”
綺麗な字でそう記されていた。
その横には5千円札。後でちゃんと返さないと…。
一つ伸びをして体に掛かっていた薄手の毛布を畳む。
ソファの端には、綺麗に畳んだ服が一式置いてあった。
安室さんのものだろうが、出かけるなら着てもいいということだろう。
本当、何から何まで世話になりっぱなしだ。
浴室で顔を洗ってからリビングに戻り、テレビをつけ、サンドイッチを食べる。
やっぱり美味しい。
このままずっと、無一文で引きこもっているわけにもいかない。
服や生活必需品、それにスマホも必要だ。
だが金がない。
今日は職探しに出かけるか…、と予定を組み立てる。
サンドイッチを綺麗に平らげ、キッチンで使った食器を洗い、着替えを済ませて家を出た。
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名探偵コナンの世界で、コナンたちが住んでいる町、米花町。
一見平和な町だが、事件ばかりが起きている物騒な町だ。
巻き込まれる日が来なければいいけど。
割のいいバイトがないか、歩きながら見て回る。
一回死んでまで、また働きたくはないんだけど、そうも言っていられない。
小さなレストランの募集チラシを見つけ、時給を確認。
1000円か。まぁ、そんなもんだろう。
その日のうちに手渡しも可能って書いてあるし、とりあえずここにするか。
履歴書も何もないけど、面接してくれるだろうか。
とりあえず、入ってみよう。
俺はレストランコロンボの扉を開けた。
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096 - ゆずりはさん» 返信遅くなってしまいすみません…!2週目嬉しいです!改めて楽しんで頂けると幸いです! (12月5日 20時) (レス) @page23 id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずりは(プロフ) - 2週目読ませて頂きます!黒瀬くんめちゃくちゃ好きです!♡ (11月14日 20時) (レス) @page2 id: c114e89f61 (このIDを非表示/違反報告)
096 - はるさん» 返信遅くなってしまい申し訳ありません!2回目読んでいただきありがとうございます!!ハロと出会うのは444話です! (2022年9月13日 15時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
はる - すごく面白いです!!!ストーリー読みやすくて、2回目を見てます((笑。 聞きたいことがあって、ハロと出会うシーンって何話でしたっけ?思い出せなくて、、、 (2022年8月11日 17時) (レス) id: 9c65c52711 (このIDを非表示/違反報告)
096 - みこさん» ありがとうございます!とても長いですが、ぜひ楽しんでください! (2019年8月21日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年1月30日 17時