60:電車にて。 ページ10
そう言えば、埼玉紅葉と練習試合をするんだっけか。
A来るんだな、よかった。
井浦「最初はあんな嫌がってたのにな。ツンデレか？」
A「…なんか、ここなら……
・
自分、好きになれそうなので」
目を細めて、どこか遠くを見るAはとても儚く見えた。
・
王城「電車なんて久しぶりだなぁ」
朝、俺たちは学校の最寄駅に集合した。
朝だからか、比較的電車内も空いている。
王城「あ、あそこ空いてる！座ろう！」
8人がけの椅子に、左から畦道、伴、人見。
その向かい側が、宵越、俺、水澄、伊達。
少し離れた3人がけの椅子に、正人とA。
水澄「なんで部長とAちゃん、あんなところにいるんスか？」
さすがに周りの奴らも不思議に思っている。
俺だって不思議だ。
空いてるから座ろうと言っておきながら、本人はAの手を引いて、別のところに行くんだからな。
少し離れているせいか、何を話しているのかは分からない。
井浦「？」
ふと、王城が俺を見て、グッと親指を立ててきた。
どういう意味だ？
俺が少し首を傾げると、今度は口をパクパクさせた。
やったね、と。
やったね？
何が？
試合に出れることか？それともマネージャーをゲットできてか？それとも……
・
脈ありってことか？
続く (更新停止中)
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作者名：真竜 | 作成日時：2021年6月20日 13時
