No.5 ページ5
ーーーーーーーーーーーーーーーーー某月某日
鬼舞辻無惨が、姿を現した。
隊士達は、各所で刀を振るい、勇気を奮った。
亡くなる隊士も大勢いた。それでもみんな諦めなかった。
カラス「カァー、死亡、死亡。時透無一郎、不死川玄弥。上弦ノ壱トノ格闘ノ末死亡。カァー。」
目の前が真っ暗になった。嘘でしょ?誰かお願い、嘘って言って。喉がじんわりと熱くなって、涙が零れる。当分、泣き止めなかった。
ーーーーーーーーーーーーー鬼舞辻無惨殲滅後
鬼舞辻無惨を殲滅出来たことは、良かったと思う。けれど、私はそれより無一郎を喪ったダメージの方が強かった。
今、私がどれだけ泣いても、無一郎は帰って来ない。ピンっと張っていた糸が切れたかのように、瞼を腫らした。泣きすぎてもう声が掠れている。
目の前の墓石には、『時透無一郎』の文字が彫られている。私は墓石に向かって語りかけた。
A「ねぇ、無一郎。寂しいよ。無一郎まで私のこと置いてくの?嫌だよ!置いてかないで・・・・。
でも、無一郎は頑張ったんだよね。
ごめんね。私結局、何にも出来なかった。何にも出来なかったよ。
無一郎はとっても強いのね。
ーーーーーーー無一郎、今までありがとう。」
涙を堪えながら、「ありがとう」を言い続ける。無一郎には、感謝してもしきれない。
胸の奥がズキンと締め付けられる気がした。
そうだ、何で今更気付くのだろうか。
無一郎といる時の、胸の奥が痛む感じ、それなのに心がときめく感じ。
ーーーーーーこれは、まさしく恋だったのだ。
もう絶対に叶わない恋。
とても儚くて、短かった恋。
強くて、まっすぐで、かっこよくて、笑顔が愛
らしくて、優しくて、努力家で、あったかい。
そんな無一郎が大好きだった。
近くの花畑では、シオンの花が綺麗に咲いていた。
A「無一郎、私はあなたを忘れない。」
終わり←No.4
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作者名:とろろ昆布 | 作成日時:2020年1月21日 20時