ただの隣の部屋のお兄さん…じゃない！？【橙】

観覧車 ページ41

もうすっかりあたりは暗くなってきた


ﾋﾟﾝﾎﾟﾝﾊﾟﾝﾎﾟｰﾝ『……あと３０分で閉園となります。お帰りの際は……』


『なあ、A！最後、観覧車乗らへん？』


「いいですね！」


ここの遊園地の観覧車にはジンクスがあって、ピンク色の車体に乗って告白すると、二人は結ばれるんだとか……！


ありきたりだけど、憧れはあるよね、！


ｶﾞﾁｬ 『楽しんで行ってらっしゃいませ』丁寧なキャストさんの案内で車内へと乗り込んだ


のはね、？いいけど……ピンクなんよ！！観覧車ピンク色なんよ！！


告白……してくれるのかな、と淡い期待を胸に寄せた


『夜景、すごいなぁ……』


「ほんとですね、！」


ふと見たジェルさんの顔は月明かりに照らされて、いつもより儚く、きれいに見えた


その顔に釘付けになっていて、もう頂上を過ぎたことに気がつかなかった


『……月も、きれいやなぁ……』


へ、？月、？月きれいって、月ないんですけど！？


……あっ、でも「月がきれいですね」ってたしか隠された意味あるよね、？


んー、なんだったっけ、、、


頭を抱えていると、観覧車の扉が開いた


あっ、もう一周したのか、、はやいな


出口ゲートに向かって歩いていると、


……っ！！！いたっ、、、！


『、！A、！！どないした？！』


「あっ……ちょっと靴づれみたいです……でも、全然歩けるので！」


大丈夫とは言ったものの、けっこう痛い……


『A……大丈夫やないやん……はあ……世話のかかる子やなあ……w』


「だっ、だから大丈b『ほおら、おんぶしたるで』


「やっ……いいです…私重いので、」


『Aは無理したらあかんの！……それともなに、？wお姫様抱っこがええん？ww』


「……じ、じゃあお願いします……」


ジェルさんのことだからまじでお姫様抱っこされる、と思い、ジェルさんの背中に体重をのっけた


タン、タン、と歩くリズムが心地よく、そのまま眠ってしまった


ーーーーーーーーー


『……A、！！A〜〜！！！ついたでー』


「……ジェルさん…ん、？ジェルさん！？」


『ちょ、！暴れんなや！…そういやA、いびきかいとったでww』


「えっ、！？本当ですか、！？……すいません……」


ええよええよ、とジェルさんは笑いながら、優しく背中からおろしてくれる


『まだ眠いやろ？はよねーや』


「ありがとうございます！この恩はいつか返すので、！」


こうして今日という長い１日は幕を閉じた

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