桜吹雪の舞う頃に

5話 ページ6

あれからコナンに「蘭って私のこと嫌いなのかな…」と尋ねると呆れたような馬鹿にしたような…両方が混ざったような眼差しを私に向けてくるだけだった。…酷くない⁉
コナンは「んなことどうでもいいけどよ、キッドから予告状が届いたらしいぜ」と話を変えてくる。…とか何とかいってる私も突っ込みはせずキッドの話を食い入るようににいてるけど…

コナン「今日の夜、世界最大のインカローズ『紅い薔薇【ブラッド・ローズ】』を盗みに来るらしい。」

咲夜「インカローズ…ねえ…」

　インカローズと言えば恋愛に関するすべての事柄を良い方向に促すとされる、私の最も大好きな宝石だ。…もしかしたら、キッドにも叶えたい恋があったりするのかしら…ふふふっと笑うと新一が何笑ってんだ此奴…と言いたげな目で見てくる。…なーんか最近辛辣じゃない?それで頬を膨らまして睨むと顔をっ真っ赤にして目をそらすんだから…よくわからないわね…

コナン「まあ…準備しとけよな…」

　目をそらしたまま顔に手を当ててそういうと新一は部屋から出ていった。私は首を傾げて新一を見送った後、準備を進めた。カバンに少し荷物を詰めて、パーカーを羽織って帽子を手に取る。…そういえば、幼いころにこの帽子をくれた快斗は最近どうしているのだろうか…最近は電話ぐらいしかしていなかったし…この姿じゃ会えないから仕方ないけど…
昔、快斗は世界一の怪盗になって私を盗みに来るとか言ってたっけな…快斗はとっくの昔に忘れてそうだけど…

咲夜「…世界一の怪盗になるには、怪盗キッドを超えなきゃね…」

　私が思う世界一の怪盗は怪盗キッドだ。以前直接対峙したことがあるのだが捕まえる事が出来なかった。…結構いい感じの作戦だったのよ、あの時…
盛大にため息をつきながらカバンを肩にかけて帽子をかぶる。

咲夜「今日こそ捕まえてやるわ、怪盗キッド…」

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遠山和葉

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