桜吹雪の舞う頃に

27話 ページ29

翌日、事件が起こっても普通に学校はあるわけで、私は今までのように蘭、そして新一と学校に行った。学校についてそうそう蘭が用事がある、とどこかへ行ってしまったため新一とともに教室に入れば、夫婦で登校、とからかわれる。･･･幼なじみで仲がいい、と言うだけで夫婦扱いなんて子供ね･･･と呆れながら席に着こうとしたとき、新一に名前を呼ばれて呼び止められた。

新一「お前、今日の夜って何か用事あるか？」

A「･･･ちょっと待ってて･･･」

　スマホのスケジュール帳で今日の予定を調べる。･･･今日の欄は空白、つまりなにも予定はない、そう新一に伝えると新一は少し照れたように笑いながら、私の耳元に口を寄せて･･･

新一「･･････お前らなあ･･･」

　私たちを囲むようにして集まっているクラスメートがいたせいかかなり小さな声だったが、なんとか新一の声を聞き取れた。･･･今夜８時、米花センタービル展望レストラン･･･新一に言われた言葉を忘れないうちにスケジュール帳に入れておく。

　スマホの電源を切ろうとした私は、全国模試の日が近かったことを思い出してスマホの画面をスワイプした。･･･一応模試は上位をキープしてるからね･･･日にちぐらい確認しておかないと･･･と、全国模試と書かれた日付を見て、目を見開いた。



全国模試 11月7日



　･･･わざわざこんな日に全国模試なんて･･･思わず鞄に入っている拳銃に触れる。11月7日は私が大好きだった人、大切だった人たちの命日だ。･･･未だに捕まっていない爆弾魔さん･･･なぜだか、今年はあの爆弾魔さんが動くと私の勘が行っていた。･･･そんなときに全国模試なんて、やってらんないわね･･･

　まあ私の勘の通りに爆弾魔さんが動いたとしたら全国模試の結果なんてどうでもいいのだけど、妥協はしたくないからね･･･勉強はしておかないと･･･

優樹「･･･A･･･？」

A「優樹君、おはよう」

　おはよ、と返してくれる優樹君の表情はどこかくらい、どうしたのだろうか･･･

優樹「お前･･･今の笑顔、狂気的だったよ」

　どうやら、爆弾魔さんへの復讐心が表情にでてしまったらしい。･･･優樹君でよかったわ、だって彼は私が復讐をしようとしていることを知っているからね･･･

A「･･･忌々しい爆弾魔さんを思い出しちゃってね･･･とっとと殺したいって、思っちゃったのよ･･･」

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