桜吹雪の舞う頃に

14話 ページ16

鍾乳洞を彷徨い、川を見つけた私たちは川を遡り、地表に近いであろう場所に出た。
少し遠くには、卵形の石が不自然に岩に載っている。そこまで行くと、5つの道があった。…直感的に、どれかの道が出口につながっている、と感じた。

光彦「ちょっと持って下さい!何か文字が彫ってありますよ!」

　光彦君が読んだ言葉は、入り口の石にかかれていたものとほとんど一緒だった。…前文に「闇に迷いし者」という言葉が付け足されただけで…

　するといきなり、歩美ちゃんが悲鳴を上げた。…彼女の視線の先にいるのは…コウモリだ…
まずい、と思った瞬間にはもう遅くコウモリはこちらに飛んでくる。思わず悲鳴を上げてしまったが、小石を拾って投げるとコウモリはそちらへ飛んでいく。

　悲鳴を上げてしまったから男達に居場所がばれたかもしれないが、出口が近い、と言うことはわかった。

　ただ、心地は五本の道がある…一体どの道に入れば…すると、コナンは道がわかったのか、苦しそうに言葉を発しだした。入り口の岩やこの岩に書かれているのは鍾乳洞からの脱出方法、つまり、出口は龍の道、と言うわけらしい。そして、コナンは指を指し、龍の道を示そうとした。…のだが、その手はがっくりと下ろされる。

咲夜「コナン!?」

　顔から血の気が引いているコナンは目を閉じ、意識を失っている。腹部からの出血はガーゼや包帯からもすでにはみ出しているほどだ。すぐに手当てをしたいところだが、ここに来て最悪な状況…足音が聞こえてした。とりあえず適当な道に入り身を隠したが、そこはただの穴…つまり、見つかるのも時間の問題だ。

　…なんとしてでも、龍の道を…出口へと続く道を見つけなければ…大丈夫、新一にわかったんだ。私だって、考えればきっと…




本当に?

そんな精神状態なのに?




咲夜「っ…」

　…頭の奥から聞こえた声は、気のせいだと思いたい。

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