桜吹雪の舞う頃に

13話 ページ15

いやな予感ほどよく的中する、と何度か聞いたことがあるが本当にその通りだと思う。私の勘の的中率は(落ち着いていれば)98％と言われているが、いやな予感は100％当たると言っても過言ではないように思う。…今だってそうだ。

　元太君が悲鳴を上げてかけだしてきたかと思えば、そこには拳銃を持った男がいた。思わず驚愕したが、すぐに近くにいた歩美ちゃんを庇う。…一度、銃声がしたが、男達は私たちが見えなかったのか、岩の陰に隠れることができた。

咲夜「哀、聞こえる?ねえ、哀っ…」

　探偵バッチ出会いに声をかけるが、一切応答はない。どうしようかと悩んでいると、至近距離でハアハアと息苦しそうな呼吸音が聞こえてきた。

咲夜「え…」

　よく見ると、コナンが腹部から血を流していた。きっと、先ほど男が打った球が当たったのだろう。

咲夜「ごめん、ちょっと我慢してて」

　痛みに耐えるように腹部を押さえてけ手板コナンのてをどかし、傷口をあらわにする。…見た感じ、球は抜けているようだったので救急キットから必要なものを取り出し、応急処置に取りかかった。…銃で撃たれた場合、一番多いのは失血死だ。つまり、今私が行うべきは止血…

歩美「こ、コナン君!?」

　話し込んでいた子供達も、コナンの様子に気づいたようだ。この状況とコナンの様子を見て焦っている子供達には申し訳ないが、あいにくと今は止血に集中したい。だが、このままここで隠れていても見つかるのは時間の問題だ。私たちはコナンの案で動くことにした。

咲夜「とりあえず、きつめに包帯を巻いておくわ…元太君、コナンのことおぶってもらえる?」

　元太君が頷いたところで、あまりコナンを動かさないように注意しながら元太君の背に乗せる。足取りも、かなりゆっくりだった。

　子供達は、かなり気が滅入っているようだった。…そりゃそうだ、みんな多少なりとも自分に非があるのだから…自分の所為だと、かなり自責の念に追い込まれているらしい。…かく言う私もそうだけど…もう二度と味わいたくなかったのに、こんな気持ち…でも、まあ…

咲夜「鍾乳洞に入ったおかげで迷宮入りしそうだった事件が解決できそうなのよ?それに、過ぎたことをくよくよ言ったって仕方がないわ…ここから逃げたらバーベキューなんだから、明るく行きましょう」

　…と言っても、いちばん暗いのは私なんだろうな…仕方ないじゃない、あのときのことが、頭をよぎるんだもの…

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