トリップ特典は93話目でした ページ18
貫禄のある男性が、女性職員に一声掛けられ、此方にやってくる。
堂々たる歩みは、正に社長の座に相応しいものだった。
そして、一歩引いた所で後ろを歩く赤茶の髪の男性。
福沢「そこの太宰めが有能なる若者がいると言うゆえ。その魂の真贋、試させてもらった。
武装探偵社 社長
福沢諭吉 能力名 『人上人不造』
織田作之助 能力名 『天衣無縫』
太宰「いやね?君を社員に推薦したのだけれど、いかんせん、君は区の災害指定猛獣だ。保護するか否か、社内で、揉めてね。」
福沢「だが、太宰が云ったのだ。」
国木田「…それで社長、どのようなご判断を?」
皆が社長を見守る中、治兄だけは次にどんな答えが来るのか分かっているようだった。
そして、私達も治兄が考えている事が手に取るように分かったし、治兄が計画したのだから、失敗はあり得ないと明らかな自信があった。
福沢「太宰に一任する。」
太宰「お任せ下さい。」
その答えを待っていましたと、ほんの少しにやりと笑う。
屹度、作戦通り、思い通り、とでも考えているのだろう。まぁ、失敗しないで何より、である。
私は、役者には不向きということで外されてしまったもう一人の兄の方へ向かった。
中島「ちょ、ちょっと待ってください、太宰さん!それじゃあ、僕に紹介する仕事って…」
太宰「合格だそうだよ」
慌てる中島くんに、様同然と答える治兄。
本人は何も知らず頑張って、周りは演技だったのだから、独り相撲のような、なんとも言えない蟠りがあるのだろう。
然し、武装探偵社は気にしない。
太宰「武装探偵社にようこそ、中島敦くん?」
ナオミ「おめでとうございます!」
谷崎「お役に立てて良かったです…」
織田「おめでとう」
中村「おめでとう〜」
谷崎兄妹に続いて、私達もしれっと混ざって言っておく。このまま流されないのが中島くんであるが。
中島「いやいやいや、こんな無茶で物騒な職場、僕には無理ですよ」
太宰「皆を助けるために、爆弾に覆い被さるなんて、なかなかできる事じゃない」
ナオミ「そうですわ!ナオミ感動しちゃいました!」
太宰「君なら大丈夫だ」
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