3話【箱の中】 ページ5
必死に探した結果、遅くはなったが伏黒は杉沢病院で彼の姿を発見した。
確か名前は。
「
彼がこちらに向く。初対面でフルネームを知っている事に少し警戒が見れた。
「呪術高専の伏黒だ。悪いがあまり時間がない。オマエが持っている呪物はとても危険なものだ。今すぐこっちに渡せ」
話にイマイチ理解できていないのか、「じゅぶつ…?」と繰り返し呟く虎杖に写真を見せる。
その写真を見た虎杖は肯定を示す反応をとり、何度か頷く。
「俺は別にいいけどさ。先輩らが気に入ってんだよね。理由くらい説明してくんないと。」
今は時間が惜しいが、説明しないと渡してくれなさそうだ。諦めて手短に説明を始める。
日本国内での怪死者・行方不明者は年平均10,000人を超える。
その殆どが人間から流れ出た負の感情。《呪い》による被害。
特に学校や病院のような大勢の思い出に残る場所には呪いが吹き溜まりやすい。
人間が記憶を
だから学校には大抵《魔除け》の呪物が置いてある。虎杖が拾ったのもそうだ。
魔除けと言えば聞こえはいいが、より邪悪な呪物を置くことで他の呪いを寄せ付けない。
毒を毒で制す
現に長い年月が経ち、封印が緩んで呪いが転じた。今や呪いを呼び寄せ、肥えさせる餌。
その中でもこの高校に置かれていたのは特級に分類される危険度の高いもの。
「
「いやだから俺は別にいいんだって。」
そう言って虎杖が投げ渡してきた箱の中身は空。伏黒が追ってきたのは箱にこびりついた呪力の残穢だった。
伏黒が虎杖に中身の行方を問いただすと、先輩が持っていると答えた後に何かを思い出したのか話が止まる。
「そういや今日の夜、学校でアレの御札剥がすって言ってたな。」
固まった伏黒に「もしかしてヤバイ?」と問い掛ける虎杖。
恵の顔から血の気が引き冷や汗がポトリと落ちた。静かな空間に重い口を開いた伏黒が告げた言葉は。
「ヤバイなんてもんじゃない。ソイツ、死ぬぞ。」
虎杖に絶望を告げるには充分だった。
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稲荷 - 戦闘狂とか男主とか黒髪赤目とかただの性癖でしかないし何より言葉選びがスッッッッッッキ。更新頑張ってください!好きです。 (2022年1月18日 19時) (レス) @page6 id: 5c3b21ca8d (このIDを非表示/違反報告)
ナナ - わぁお(?) 私の性癖が詰まってるね!!(??)更新、応援してます。続き待ってます!!!!!!!! (2022年1月7日 20時) (レス) @page30 id: f3a719c86a (このIDを非表示/違反報告)
猫です - ウッ、、、戦闘狂、、、?好きすぎて心臓が痛い、しかも、愛され、、、?僕特過ぎた (2021年12月30日 12時) (レス) @page30 id: f2e7fed4cc (このIDを非表示/違反報告)
はく(プロフ) - ぐぅ、、、っごじょるに男主、、しかも戦闘狂で愛され、、最高じゃねえか!!!もっと、、!!みせてみろ!!男主くんん((( (2021年9月29日 6時) (レス) @page28 id: 480d828c8e (このIDを非表示/違反報告)
わんこ - いちばん面白いです!!!早く続きが読みたい!! (2021年5月25日 23時) (レス) id: e23ad42b61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:でめきん | 作成日時:2021年3月28日 12時