【Part.1】【呪術廻戦】最強の先輩は規格外で変なヤツに好かれやすい【男主】

35話【解剖室】 ページ37

「わざとでしょ。」

検視室で生徒の前では見せないような態度をとる五条。
伊地知は胃を痛めつつもその言葉の先を促す。





「特級相手、しかも生死不明の５人救助に一年派遣はあり得ない。」

五条とAが無理を通して虎杖の死刑に実質無期限の猶予を与えた。

面白くない上が五条とAがいない間に特級を利用し、体良く彼を始末。

他の２人が死んでも五条とAに嫌がらせができて一石二鳥だと思っているはずだ。

言葉に段々とトゲが増す五条。伊地知は震える手で口元を抑えた。




「犯人探しも面倒だ。
上の連中、全員殺してしまおうか？」




「珍しく感情的だな。」

ピリつく五条に声をかけたのは呪術高専医師である家入硝子。
髪の毛を弄(いじ)りながら五条を見つめるその目元にはくっきりとクマができていた。




「あまり伊地知をイジメるな。私達と上の間で苦労してるんだ。」

「男の苦労なんて興味ねーっつーの。Aさんは別だけど。」

もっと言って欲しいという伊地知の心の思いは届かず、あっさりと家入の擁護は終わった。




『俺がなんだって？』


ガラリとドアを開け、姿を現したAに五条は分かりやすく飛び上がる。

「Aさんっ!!」

『飛びつくな、犬かお前は。』




Aは軽く五条を軽くあしらいつつ、白い布が被せられている解剖台に近付く。

布を捲(めく)ると安らかに眠る虎杖の姿。



『……上の連中、全員触れて寿命を早めてこようか。』

「Aさんの手を汚さずとも俺やるよ。」

「お前ら思考回路が一緒だな。」

家入の発言に笑顔になる五条を無視して、彼女はAと虎杖に近付く。



「好きに解剖(バラ)していいよね。」

「役立てろよ。」

五条のそのセリフに家入は「誰に言ってんの。」と言い放った。

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