32話【海外出張】 ページ34
『まっじで性格悪いな。』
「すみません…。」
Aはこの日、上からの命令で海外への出張に出ていた。
しかし、着いた直後に伊地知からの電話。
彼によると、西東京市にある英集少年院にて"窓"(術師ではないが、呪いを視認できる高専関係者)が
緊急事態の為に高専1年生3名を派遣したとの事。
よりによって五条も出張であり、Aに至っては海外、ヨーロッパだ。いくら自分の移動速度を早めようとも海は渡れない。
『伊地知は悪くねーだろ。悪いのはこのタイミングを狙ってましたとばかりに1年を派遣した上のカスだ。』
「Aさん…!」
口調は厳しいものの伊地知を責めようとしないAに伊地知は涙を浮かべる。
これが五条だったのなら、恐らく伊地知が八つ当たりされていた。
『運良く、飛行場から徒歩20分のところだ。とりあえず今から瞬速で祓って終わり次第、飛行機の席を無理やり空けさせて帰る。
くそ、こんな事ならプライベートジェットで来ればよかった。』
ところどころに散らばるワガママ行動と坊っちゃま発言は伊地知にとっては聞きなれたもの。
華麗にスルーをして無理はされないようにとの言葉だけを残し、通話を終えた。
『…やるか。無窮術式【
Aが術式を唱えた瞬間に周りのもの全ての速度が遅くなる。実際はAが光速で動いているのだが、結果としては同じ事。
今の状態で人と衝突すると最悪相手に死が待っているので、誰にもぶつからないように持ってきていたバイクで任務先へと向かう。
着いた場所は古い城跡。特級呪霊がいるらしいのだが、動かない相手では特級もクソもない。
バイクを置いて一歩を踏み出した瞬間。
『ッ…なんだ、この匂い…。』
ローズのような甘い香り。今まで何度もこのような場所に訪れてきたが、こんな事は今までになかった。
気を付けながら奥へと進むに連れて香りも強くなる。問題なのが、不快に思うどころか眠りを促進されてしまう事。
Aにとって睡眠は弱点ともいっていいほど、危険なものだった。
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稲荷 - 戦闘狂とか男主とか黒髪赤目とかただの性癖でしかないし何より言葉選びがスッッッッッッキ。更新頑張ってください!好きです。 (2022年1月18日 19時) (レス) @page6 id: 5c3b21ca8d (このIDを非表示/違反報告)
ナナ - わぁお(?) 私の性癖が詰まってるね!!(??)更新、応援してます。続き待ってます!!!!!!!! (2022年1月7日 20時) (レス) @page30 id: f3a719c86a (このIDを非表示/違反報告)
猫です - ウッ、、、戦闘狂、、、?好きすぎて心臓が痛い、しかも、愛され、、、?僕特過ぎた (2021年12月30日 12時) (レス) @page30 id: f2e7fed4cc (このIDを非表示/違反報告)
はく(プロフ) - ぐぅ、、、っごじょるに男主、、しかも戦闘狂で愛され、、最高じゃねえか!!!もっと、、!!みせてみろ!!男主くんん((( (2021年9月29日 6時) (レス) @page28 id: 480d828c8e (このIDを非表示/違反報告)
わんこ - いちばん面白いです!!!早く続きが読みたい!! (2021年5月25日 23時) (レス) id: e23ad42b61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:でめきん | 作成日時:2021年3月28日 12時