【Part.1】【呪術廻戦】最強の先輩は規格外で変なヤツに好かれやすい【男主】

1話【悪夢の予感】 ページ3

時は遡り、2018年6月


場所は帝刻寺本家。 先程まで仮眠をとっていた若くして現当主である帝刻寺Aが自室から顔を出す。

「お早いお目覚めですね。任務まではまだ時間がありますが…。」

『…嫌な予感がする。』

音も立てずに傍による側近が、垂れていた頭を上げた。
視線の先に映るのは鋭くどこか遠くを睨みつける側近の主。

『…茶を頼む。』

そう言って踵を返して自室に戻ろうとするAに側近は静かに返事をして、また頭を下げた。Aの予感はよく当たる為、側近もその予感を口にした本人でさえも渋い顔をしたままだった。

数時間後、1本の電話がそれを告げる。




場所は変わり、宮城県仙台市杉沢第三高校。



「百葉箱！？そんな所に特級呪物保管するとかばかすぎるでしょ。」

「アハハ。でも、おかげで回収も楽でしょ。」

1人の若者が高校に忍び込んでいた。その若者、伏黒恵(ふしぐろめぐみ)は通話をしながら目指す目的地、百葉箱を開ける。

「……ないですよ。」

「え？」

「百葉箱、空っぽです。」




そう、真の目当ての物がこの中にあるはずだったのに。その中には何もなかったのだ。

「マジで？ウケるね。」

事の重大さを理解しつつも、笑い飛ばす通話相手に苛立ちを隠せない伏黒。

「ぶん殴りますよ…。」

「それ、回収するまで帰ってきちゃ駄目だから。」



気遣いも優しさの欠片も感じないその言葉に、更に苛立ちが募る伏黒は、今度この男を殴る事を決意して通話を切った。

2話【砲丸投げ】→←Person setting

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