25話『始まりは黄緑のレター』 ページ27
朝の肌寒さに体を振るわせ、目が覚める。
窓の方に視線を向けると白い雪がはらはらと舞っていた。
今日はどこへ行こうか。
朝起きて毎日そんな考えを巡らせるのももう日課になった。
電気を付けようと、サイドテーブルに置いてあるはずのリモコンスイッチに手を伸ばす。
貴方『ん?』
手を伸ばした先には見慣れない黄緑色の紙が折りたたんである。
開いてみると見慣れた少し読みづらい、少々雑な字で
《おはようさん!!
悪いけど、今すぐ俺の隠し部屋来てや》
と短絡的に書かれていた。
名前も書かずに、俺のと書いて。
もし誰か分からなかったらどうするのか。
苦笑いをしながら着替えだけを済ませ、城の方へ向かう。
中へ入り、廊下を突き進んである所で上を見上げる。
黄緑ピクミンが城を作るときにこっそり作ったダクトだ。
中へ入り込み、複雑な迷路を迷わず突き進むと、ある場所にたどり着く。
手紙の主が居座る隠れ部屋。
念の為ノックをして扉を開けると、中には誰もおらずがらんとしていた。
貴方『呼んだ本人がいないってどういうこと…』
潔癖症の彼の部屋はいつ訪れてもきちんと整理されている。
…戸棚の中にある物騒な武器達をスルーするのは随分と前に慣れた。
机の前に辿り着くと、黄緑色の手紙とブーゲンビリアの花だけが置いてあった。
不思議に思いつつ、ブーゲンビリアを手に取り手紙を開く。
《振り回してごめんな!!
次はイキっとる奴がおるらしいから向かってくれや。
場所はいつもの窓際でとか言っとったんやけど、どこなん?》
それと。と追記で書かれた部分に目を通し。
貴方『……はぁ』
ため息が出た。
仕方がないから指定された場所まで大人しく向かおう。
それまでに、赤くなってしまった頬を冷まさねば。
《それとな。
ブーゲンビリアの花言葉なんやけど、
【情熱】
【あなたは魅力に満ちている】
【あなたしか見えない】
らしいで。
…花言葉で選んだかどうかは想像に任せるわ》
26話『茶色の封筒と緑色の手紙』→←24話『とある黄緑ピクミンの証言』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 818人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
でめきん(プロフ) - かふぇおれさん» ありがとうございます！引き続き頑張って参ります！ (2020年1月8日 9時) (
レス) id: 0aa9c43be1 (このIDを非表示/違反報告)
かふぇおれ(プロフ) - あなたの作品に一目惚れしました好きです(唐突)これからも頑張ってください！続きを楽しみに待ってます!! (2020年1月7日 22時) (レス) id: 48871820ab (このIDを非表示/違反報告)
冬枯(プロフ) - モウセンゴケさん» 分かりました！投げることを忘れてましたw一部分でも採用されて嬉しいです！少しでも役に立てたなら幸いです！これからも更新楽しみに待ってます！！！ (2019年12月31日 18時) (レス) id: ec10afebdf (このIDを非表示/違反報告)
モウセンゴケ(プロフ) - 冬枯さん» 提案ありがとうございます!!紫ピクミンがバイクで暴走族特攻をする光景が目に浮かびました…個人的にはやはり『投げる』のを外したくはないので、バイク＋紫ピクミンは投げれない気がしたので、【突撃】の時に案を採用させて頂こうと思います!!申し訳ございません。 (2019年12月30日 22時) (レス) id: 0aa9c43be1 (このIDを非表示/違反報告)
冬枯(プロフ) - 提案です…！紫ピクミン(syp君)が重さで押し潰す事に悩むと言っておられたので、バイクに乗っていると捉えたら、重さもあって当然と思えるのではないかと…！少々無理もあるかと思いますが、個人的に良いと思ったので送ります！これからも更新応援しています！ (2019年12月29日 15時) (レス) id: ec10afebdf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：でめきん
| 作成日時：2019年12月4日 21時
