[HQ]それの手に入れ方[短編集]

岩泉の場合… ページ20

町外れの駄菓子屋の前に来た。

俺は知っている…ここにそれがあることを。





何故だか知らないが、ここのばあちゃんはそれをこっそり置いている。
中学生の時1人でチャリに乗って来て、たまたまここの店を知った。




俺はバクバクと心臓の音を鳴らして駄菓子屋に入った。

こんなに緊張して駄菓子屋に入るとは思わなかった。



知ってる奴に絶対見られたくない…特に及川には




Aにはちゃんと買えるのか心配された。
買ってきてあげるよ、と言われたが流石にそれは男が買うもんだろと断った。






ここは入ってもばあちゃんは何も反応しないのがまたいい。



駄菓子なんていつも買わないが、それだけ買うのはちょっとおかしいので、何個か手に取った。







すると突然小学生らしき少年達が店に入ってきた。

「ばあちゃん！元気かー？……あ、大人のひと…」

「…大人のひともお菓子たべるのかな…」

俺を見つけてヒソヒソと話していた。

少年達は自分の好きな物を物色していた。






俺はすごく居づらくなった。









少年達よ…早く出て行ってくれ……









「はい、あんたコレもでしょ？」









突然ばあちゃんはそれを取り、俺が持っているお菓子もお会計して、お金を請求した。

俺は財布をすぐ出してお金を出した。








「ばあちゃんそれなにー？オマケのお菓子？」




「あんた達にはまだ早いよ」









ばあちゃんは袋を渡してきて、外に出た。



少年達は大人だけオマケずるいと言っているのが聞こえた。









ばあちゃん…………わかってんな……









俺は駄菓子屋を後にした。


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ばあちゃーん！！！岩ちゃんみたいな人の為にこっそりと置いてるんだろうなぁ…。岩ちゃんは絶っっっ対彼女ちゃんには買わせないと思う！！

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