悟くんは死なないでね。 (ページ21)

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Aside

悟くんが呪詛師に拘束され首を絞められている所が見えた

私は今まで何をしていたんだろうか

傑くんに呪具を抜いてもらい悟くんに近づく

傑「私はこの呪霊たちを殺してすぐ向かうから、だからA……」

『ありがとう傑くん

大丈夫

こういう運命なんだよ』

傑「ｯ…………」

納得のいかないような顔で呪霊の元へ駆けて行った

ごめんね傑くん

わがままを聞いてくれて

そしてありがとう

恋を手伝ってくれて

ありがとう

『私の全部をあげるから…ゴーストの全部使わせて』

自分の腕から出てきた白い手は私の手のひらをすり抜けて

地面に手のひらを置く大きい手が呪詛師へと向かう

これで助けられる

悟くんがこちらを見て目を見開いている

呪詛師B「おい！！早くそいつを殺せ！！！！！」

悟「ｸﾞｯ…………」

呪詛師は呆気を取られたかと思うと呪詛師Bの怒鳴り声で正気を取り戻したのか更に首を絞め始めた

悟くんは殺させない

ﾊﾟｻｯと音がして

右腕が無くなるのが分かった

－あんまでかい力使うなよ。そんな時がきたら助けてやる、守ってやる。俺最強だから－

－俺は最強だ。死なねーよ。お前を泣かせたりなんかしないから安心しろ－

－殴ったやつの服にこっそりガムつけてやった。ざまぁ見ろ。あいつは服についてるガムに気付かず生きていくんだ。－

嬉しかったな

全部

今まで親も友達もいない中初めて言われた言葉

涙がでるほど笑ったのは初めてだった

好きという感情が芽生えたのも初めてだった

左腕が無くなって気が付いた

悟くんが泣いている

泣けたのか

よかった

この状況でよかったなんて非常識だけれど

呪術師は身近な死に慣れすぎて泣くことができない

私は幼少期から誰かの死を目の当たりにしすぎて泣いたことはなかった

だから、周りが泣いているのを見て

私もそんなふうに泣いて欲しいと思ったんだ

悟「……ｯ…A…....…やめ…ﾊ」

悟くんと目が合う

悟くん

ごめんねずっと言えなくて

本当は聞こえてたんだ

私が動揺した日、好きだよという言葉

聞こえていたのに聞こえないふりをしたんだ

私も好きだよと言いたかった

『悟くんは…死なないでね……』

『私が死んだ時、泣いて欲しいから』

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