悟くんは死なないでね。 (ページ20)

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悟くんは死なないでねページ20

悟side

呪詛師B「おい！！早くそいつを殺せ！！！！！」

Aの手によって捕まえられている呪詛師が俺の上に股がっている呪詛師向かって叫ぶ

『ｯ……』

首を絞める力が増した

お願いだから死んでくれ

俺が死にそうになるとあいつは

あいつは……

－悟くんは死なないでね－

－どうしよう。硝子。悟くんが死んじゃう。どうしよう。どうしよう。－

－アハハ－

何も無くても死なないでと懇願する

俺が死にかけて動揺する

偶然噛んでいたガムで代わりにやり返したら泣きながら笑っていた顔が

頭に浮かんで涙が溢れた

今まで泣いたことなんてなかったのに

呪詛師A「お前も泣けるんだなﾊｯ」

上から嘲笑うように言われて情けなくなる

呪詛師A「その泣き腫らした顔のまま死んでくrｳｶﾞｧ」

涙で歪んだ視界に先程よりも大きな手が見えた

歪んで大きく見えたのか

元々大きいのか分からない

首にかかる力が緩んで今動くしかないと逃げ出したが身体が動かない

怯んだわけじゃない

夥しい数の腕が見えて手が出せなかった

A……

A

手の跡が残ったであろう首を擦りながらAの方を見た

『……ｯ…A…....…やめ…ﾊ』

焦点が定まってない

右腕がない……

呪詛師A「ｸﾞ……くそ………舐めやがっt...」

Aから放たれる腕は呪詛師が繰り出す斬撃を受けつつ呪詛師を掴みあげていた

ﾊﾟｻｯと乾いた服の音と共に体が潰れた音がして意識を向けるとAの身体が次々に失われるのが見えた

「悟くんは……死なないでね……」

やめろ

それ以上言うな

お願いだから

「私が死んだ時、泣いて欲しいから」

そして

ｸﾞｼｬｧ

血飛沫が舞った

呪詛師の物だと分かった

気配が一瞬で消えたから

息ができない

ゆっくり見たくないものを見るように

Aのいた所を見れば

そこには

着ていた高専の服と眼帯だけが残っていた

『ﾊｯ……ﾊｯ…………』

俺の最愛の人が消えた