☆ ページ27
重岡「正門､ごめんな｡神山､東の貴族をめっちゃ嫌ってるねん」
神山「やって､王家と東の貴族のせいで…」
神山が何か言おうとした時､ウエスト号の中から村上が出て来て神山に言い聞かすように神山に注意した。
村上「神山､東の貴族が憎いのはわかる｡やけど､今は非常事態や｡やから､大倉侯爵は東と協力しようとここに来てるねん｡それだけはわかってや」
神山「はい…申し訳ありません」
村上「まっ､俺も東の貴族…特に雪間派の貴族は
嫌いや｡やけど､新参派の宮舘伯爵たちは王家や国民の事を考えていると思うから東と協力しようとしている大倉侯爵には賛成やな｡あっ､大倉侯爵たちが戻って来たわ」
村上が話していると照と大介､大倉侯爵たちが港に戻って来る。
大倉「村上大佐､何か変わった事はなかったか？」
村上「雪間派の貴族が三人ほど来ていました｡これが来ていた者の名前です」
村上は大倉侯爵に書類を渡した｡
大倉「やはり､来ていたか…すまぬが､これを宮舘伯爵に渡してほしい」
岩本「わかりました｡私たちは本部に戻りますので帰路はお気をつけてください」
大倉「気遣い感謝いたす」
照と大介が一礼して本部に戻ったのと入れ替わりに船の中から末澤子爵と佐野が出て来る。
末澤「佐野!!降ろせや!!」
佐野「ダメです!!もし､雪間派が何かしてきたらどないするんですか？」
末澤子爵と佐野の様子に中間侯爵はため息をついた。
中間「末澤子爵､船から出るなと言っておいたはずだが？」
末澤「大倉侯爵から頼まれた仕事が終わって甲板に出たら正門が帰ったのが見えたから出迎えようと思ってたんや｡それで途中で佐野に見つかっておんぶされたんよ」
大倉「そうだったか…中間侯爵､末澤子爵に渡すように継王子様から預かっている物があったのではないか？」
中間「そうだった｡これが継王子さまから預かった物だ」
中間侯爵は末澤子爵に健人王子から預かった巾着袋と手紙を渡す。
巾着袋の中を見た末澤子爵はキョトンとした表情になった。
末澤「ホンマに継王子様がくれたん？この薬草､足の痛みに効くんやけど王家以外は使われへんはずや」
中間「手紙を読んだら理由がわかるかもしれないぞ」
中間侯爵に促され手紙を読んだ末澤子爵は笑顔を見せる。
末澤「100年前の償いか…俺､王家の事は恨んでないんやけどな…助けたいと思ってるくらいや」
中間「継王子様は100年前の事を気にしておられたから受け取っておけばいい」
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作者名：fuotomi x他1人 | 作者ホームページ：https://twitter.com/fuotomi2
作成日時：2021年3月6日 16時
