2話ー隊員になった理由〔緑〕 ページ9
亮平の話を聞くために康二､蓮､ラウールは診療所にやって来る。
阿部「ここに座って」
三人は複雑な表情をしながら亮平に言われた通りにソファーに座った｡
向井「どういう事なん？警官と医者の任務に対する考え方の違いって」
阿部「照たちはゾンビを敵として見てるけど僕は患者として見てしまって､それが照や佐久間には気に入らないみたいなんだ」
向井「医者やから仕方ないんとちゃうん？そもそもなんでここで働いてるねん？」
阿部「それを話すためには僕がなんでここに来たか話す必要があるね」
ラウール「前は大学病院の救命救急センターで働いていたって聞いてますけど」
阿部「うん｡大学病院の救命救急センターで心臓外科医として働いてたよ」
目黒「心臓外科医って医者の花形じゃん!!」
向井「ホンマやん!!なんで来たんや？」
阿部「わかりやすく言ったら医療ミス…かな」
向井､目黒､ラウール「医療ミス!?」
阿部「救命救急センターに運ばれて来た交通事故の患者さんがFuji-zに感染してたのを見落としてしまったんだ」
亮平はうつむき三人にZSOに来た理由を話し出す。
今から四年前､亮平は大学病院の救命救急センターの心臓外科医として日々､救命救急センターに運ばれて来る患者の治療にあたっていた。
ある日､当直をしていた亮平の元に交通事故で意識不明になった患者が運ばれて来る。
阿部「これはひどい!!心タンポナーデを起こしているかもしれないから心エコーとオペの準備して!!あと､足も開放骨折しているから整形外科の先生も呼んで!!」
看護師「はい!!」
亮平の指示で一人の看護師が慌ただしく救命救急センターの部屋を出て行った｡
亮平は他の看護師や医師と患者の治療にあたる。
その時､動けないはず患者が起き上がり医師や看護師を襲い始めた。
阿部「えっ!!」
亮平は何が起きたのか理解できずに立ちすくんでいる。
患者「ぐぅおお…」
看護師「きゃあ!!」
医師「うわぁ!!」
その間にもゾンビ化した患者は次々と医者や看護師を襲いセンター内は地獄絵図へと変わって行った｡
そしてついに亮平だけが生き残り部屋の隅に追い詰められる。
阿部「うわぁ〜!!」
あまりの恐怖に座り込んでしまった亮平は今にもゾンビにやられそうになった。
その時､パンパンと乾いた銃声がセンター内に鳴り響きゾンビは床に倒れ動かなくなる。
阿部「えっ…」
亮平がおそるおそる顔をあげると銃をかまえる照と大介がいた。
佐久間「始末できたな…」
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作者名：fuotomi | 作者ホームページ：https://twitter.com/fuotomi2
作成日時：2020年8月16日 0時
