楽しいお出かけのはずだった ページ22
『あれ？A？』
梅とプラネタリウムを見る為に目的地に向かってる途中に聞こえた声。
一人が言い出すと周りにいる3人もザワザワと話し出す。
忘れたくても忘れられない声。きっとこの先一生忘れることはないであろう声。
憎くて憎くて殺したくなるほど憎んだこの声。
蘇る記憶。
『A〜今日放課後カラオケ行かない？』
｢カラオケ？いいよ〜｣
1年の頃から仲良かった女子3人に誘われた遊び。
いつも通りカラオケに行くと思ってた。
部屋は既に来てるメンバーが取ってるって聞いてその部屋に行くと待っていたのは知らない男性。
年齢は同じくらいだと思う。
後ろから3人に押されて私は部屋に閉じ込められた。この男たちと一緒に。
その男4人と友達だと思ってた3人が今、こっちに歩いてきている。なんで、なんでこっちに来るの
思わず隣にいる梅の袖をギュッと握る
手が震えてるのが自分でわかる。
『まだつるんでたの？ふたり。てかもしかして付き合ってる？あれ？仕事なにしてんの？』
｢っ……｣
『ちょっと〜怖がってるじゃん！』
『なんだよ〜A〜ノリ悪ぃな〜』
『ほんとほんと。あの時はあ〜んなに気持ちよさそうにしてたのに』
｢ﾋｯ……｣
耳元で呟かれて鳥肌が立った。
あの時と同じ声、手、目、全てが怖くて息がしずらくなる。
｢ｳｯｸｯ……ﾊｧ｣
梅｢A？行こ。｣
｢う、め、｣
『梅原くんやっぱりAと付き合ってるの？』
『確かあの時も呼んでたよな〜梅！って』
『そうそう、あんたの事だったのか〜』
止まることを知らないこいつらの口はあの時のことをボロボロ話してる。
梅｢だまれ｣
『は？あ、付き合ってるならやったことあんだろ。こいつの体最高じゃね？』
『まじやばかったよな〜初めてなのにあれは』
梅｢黙れっつってんだよ。｣
『っ、』
散々余計なことを話していた口は梅の低い声に怯み、
冗談だよ とか乾いた笑いをしながらどっか行った。
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作者名：ふわり | 作成日時：2021年2月16日 22時
