よく喋る先輩 ページ15
一応社長に連絡をと、鈴さんのトーク画面を開き、メッセージを入れ、アフレコ現場に向かう。
神｢梅ちゃんって高校生の時どんな感じだったの？｣
｢え、なんですか急に。どんな感じだったって、別に何も無いですけど。あ、彼女のことめちゃくちゃ大切にしてました。プレゼントを買うのに付き合わされたことあります｣
神｢へぇ〜意外。｣
｢意外って…w梅のことなんだと思ってるんですか。まぁ、くそな部分とかクズな部分とかはありましたけど｣
神｢おぉ、笑顔ですごいこと吐くね。｣
神谷さんは私たちが同じ高校だってことを知ってるらしい。
いや、らしいというのは別に私たちは同じ高校出身なのを隠してる訳では無いが、わざわざ言うことでもないので話の流れで話すというシチュエーションが多いわけで、そうすると誰に話したのか話してないのかわからなくなる。まぁそんな面倒なことになるならみんなに公表しちゃえって思うかもしれないけどめんどくさい。話すのが。単純にそれだけ。
ファンの方に叩かれるのが怖いからとか思われがちだけど叩かれても何を言われても別に望んで同じ高校になった訳では無い。偶然だ。それに仲良くなったのも好きだからとかじゃなくて趣味が合ったから。だし。仕方がないことだから別に気にしないし。
神｢そういえば昨日江口たちと飲んだんだって？珍しいじゃん。てか初めてじゃない？｣
｢神谷さん、今日よく喋りますね。｣
いつも静かなのにどうした。
｢飲みに行きましたよ。まぁでも、もう暫くはないですね。お昼ならまだしも、夜はしばらくはいいです。｣
神｢ふぅん。｣
聞いてきた割には興味がなさそうな神谷さん。
夜は…昨日のことがあったからしばらくは遠慮する。
怖くなったとかそういうんじゃないけど……
いや、怖くなったのか。
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作者名：ふわり | 作成日時：2021年2月16日 22時
