頭に浮かぶのは ページ21
「急にどうしたの」
西「急じゃないよ。ずっと好きだった。Aが本当の妹じゃないってわかった時からずっと。だから急じゃないよ」
「…そんな。」
私からしたら急な話だ。
私だってずっと好きだった。自分がお兄ちゃんたちとは血が繋がってないって分かった時からずっと。
こうちゃんは私の初恋だもん。
声優になってからも、好きだった。
自分の好きな人の好きな人が自分であるって凄く嬉しいことで、梅原くんとの約束の1ヶ月はまだ先だけど……
うんって、私も好きだよって、言えばいだけなのに……
なんで、何も言えないんだろう。
ううん。答えなんてわかってるじゃん。
頭の中でチラつく彼の顔が邪魔をする。
私と二人でいる時しか見せない顔、
さりげなく車道側を歩いてくれる優しさ。
手、繋ごって言った時真っ赤に染った頬。
こういう、彼女が喜ぶこととかはっきり言っちゃうけど女の子の扱い方とか上手なのかなって思ってた。イケメンだし。(偏見)
でも本当は慣れてなくて、手を繋ぐのにも緊張してて本当は甘えん坊で、ゲームがめちゃくちゃ弱くてそのくせに変な自信だけあって負けると拗ねて、すぐ嫉妬してちょっといたずらっ子で、頼りがいがあって、
すごく優しい。
大好きなはずのこうちゃんに告白されてるのに頭の中にいるのは1週間前、私に俺のこと好きにさせるって偉そうに言ってきた梅原くんだった。
西「僕が言いたかっただけだから返事はいいよ。」
「あ、」
梅「ただいま。はいこれ飲みもの。俺仕事入ったから帰るわ」
今、帰ってきた梅原くんは飲み物をキッチンにおいて下手な嘘をついて出ていってしまった。
西「追いかけなくていいの?」
「…」
私に追いかける資格はあるのだろうか。
結局、梅原くんにとってこの一週間の私はこうちゃんを忘れるために利用していた女でしかない。
そんな私が、
こうちゃんに実際告白されてみたらなんか少し違くて梅原くんのことが好きだったみたい
って言うなんてあまりに自己中で最低だ。
だから私は静かに頷いて
「こうちゃん、今日は1人にして欲しい」
追いかけない道を選んだ。
216人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆり(プロフ) - 鬼梅さん» コメントありがとうございます!自分的には夢主ちゃんはモテるのに結婚のことや指輪のことに対して割とあっさりしてるタイプなので結婚したのに気が気じゃない梅ちゃんを同情したような言葉です。……我ながら語彙力が無さすぎます(汗)何度でも聞いてください! (2021年2月23日 0時) (レス) id: 5148eaa1f4 (このIDを非表示/違反報告)
鬼梅 - 完結おめでとうございます!質問ですが、神谷さん、中村さん、下野さんに指輪見つかった時に神谷さんが言った「梅ちゃんも大変なんだな」って結局なんだったんですか?理解力なくてすみません (2021年2月22日 23時) (レス) id: cebc7a01dc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ふわり | 作成日時:2021年1月18日 0時