【南沢篤志】レ ン タ ル カ レ シ 03

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南)「ごめん…もっと早く来れればよかったんだけど･･」


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そんなことを言う先輩の鼓動は、

服ごしにでもわかるくらい

とても速く波打ってて


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きっと、すごく急いで来てくれた。


走って来てくれた。


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こんな自分勝手な私の、

ひとつひとつの会話の内容も

ちゃんと覚えててくれる。


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私は、私が見た先輩がすき。


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もう、仕事でも偽りでも

何でもいいよ。


私が見た先輩は、たとえ契約であっても

優しくてかっこよくて

いつだって頼れる人。


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そんな先輩が大好きで、

つらくて切なくて

でもやっぱり大好きで、


息苦しいよ って

心が笑いながら泣いてる。


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先輩の髪から落ちる雫が

熱い頬にちょうどよく冷えて

先輩に抱きしめられてる現実が、

この瞬間が、


たまらなく愛しくなって。


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離れていく体温に

“嫌だ”って心の奥が叫ぶから

小さく先輩の服の裾を握った。


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