学園アリス (ページ37)

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37話ページ37

「なぁA、行きたいところとかあるか？」

「行きたいとこ？」

「あぁ。

もし俺らが自由になったら、何したい？」

「うーんそうだなぁ...海とか！！あ、水族館とか遊園地とか！！

学園の塀の外には、たくさん面白いものがあるよね！棗と一緒に行ってみたいな〜！」

「外..ね

いつか行こうな。海も水族館も遊園地も」

私も棗も、"約束"なんて言いながら、頭ではそんな日は一生来ることがないことをわかっていた。

でも夢見るくらい、いいよね。

私は小指を立てて棗に向けた。

「うん。絶対ね。約束」

棗も自分の小指を絡ませてくれた。

すぐに棗の手は私の後頭部に周り、視界が真っ暗になった。

「・・誓いのキス。な。

俺が必ずお前をここから連れ出すから。待っててくれるか」

「うん。待つよ、私」

私たちはこの力を持つ限り、この塀を這い上がることはできない。

ならばせめて、最後を迎えるその瞬間までは大好きな人と一緒にいたい。

このわずかな幸せな時間も、私たちの人生のようにそう長くは続かなかった。