学園アリス (ページ35)

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35話　蜜柑side ページ35

教室で倒れたAちゃんのお見舞いに、部屋まで来た。

心配そうにAちゃんの手を握る棗は、いつもの棗よりもか弱く見えた。

「あんたらほんまに仲えぇなぁ」

「は？」

「今だって棗が手繋いであげてるし、Aちゃんも、いっつもあんたのこと気にかけてるで？」

「俺を？」

「うん！棗にまた笑ってほしいって！」

「笑ってほしい、ね」

「棗もAちゃんも、ウチから見たら十分楽しそうやけどな！

ほんま羨ましいわ！」

「羨ましい？」

「うん。うちと蛍は..たまにすれ違ってるんとちゃうかって思う時があんねん。

たまに蛍の考えてることがわからんくなる。

でも棗とAちゃんはいつも思い合ってていいなって」

「側から見たらそう見えるんだな」

「なんやその棘のある言い方！」

「俺もたまにAの考えてることがわからなくなる時ぐらいある。

でもわかろうとする度に、Aは隠そうとする。

・・・なぁ水玉、俺って頼りないのか？」

なんや、今日の棗、めちゃくちゃ小さく見える。

いつもの強気が全く感じられん。

「・・・忘れろ。

Aが目さましたら食べれそうなもの持ってくる」

「わ、わかった！」

きっとAちゃんが倒れて心配なんやろうな。

「Aちゃん。棗も、クラスのみんなも心配してるで。はよ元気になりや」