学園アリス (ページ30)

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30話ページ30

「今日のターゲットはこの組織のボス

・・・ではなく、コッチだ」

「ボスじゃないの？」

「あぁ。このボスを裏で操っているのがこの男みたいだ」

「わかった」

「しくじるなよ。今回ばかりはしくじるとややこしいことになる」

「ややこしいこと？」

「いくら組織のボスが操られているとはいえ、もしお前がしくじったら何をされるか・・・

わかるよな」

「うん。棗には..」

「安心しろ。言ってない」

「・・行ってくる」

今夜は裏の仕事。

元々私も棗と同じように仕事をしていたが、棗を仕事を少し私によこすよう、ペルソナに願い出た。

もちろん棗には言っていない。

ターゲットに近づく。

背後を、静かに。

透明のアリス。

相手の動きを止める。

指一本、呼吸する筋肉さえも止める。

静止のアリス。

重力に従って倒れる"ソレ"を踏みつける。

「ごめんなさい」

炎のアリス。

私は"ソレ"の声を一言も聞くことなく、その場を去った。