28話 ページ28
カフェを後にした私たちは、佐倉さんがみたいお店に片っ端から付き合った。
「あ、ホワロンだ。
陽ちゃん、ホワロン好きだよね？買ってきてあげようか」
「うん。たべる」
「流架と待ってて。すぐ戻る」
ふわふわで程よい甘さのホワロン。
陽ちゃんの大好物だ。
数人が並ぶ列で待っていると、私の番が来た。
「いらっしゃい。何にするかね」
「ホワロン、このサイズで」
「はい、毎度あり。30ラビットだよ」
「ありがとうございます」
「陽ちゃん、流架、お待たせ」
箱を開けるとほんのりと甘い香りがした。
陽ちゃんに差し出すと、目をきらきらとさせて頬張った
「おいしい。お姉ちゃん、あいがと」
「どういたしまして。琉架にも分けてあげて」
「うん」
「何それ何それ！！」
その場にいた心よみくんと４人で分け合いながらホワロンを食べていると、蜜柑ちゃんが目の色を変えてやってきた。
「これ？ホワロンだよ」
「セントラルタウン１の名物。人気のお菓子だよ」
「ホワロン...？」
「もちもちっとしてマシュマロみたいで軽くて美味しいんだよ」
「ふわっと溶けてミルキーで、とにかく食べるとすっごく美味しくて、幸せな気分になるんだよ」
「...ごくっ..」
「まだ一つ残ってるよ、陽ちゃん。よかったらアイツにも...」
「え！？くれるの！？優しい子やな陽ちゃん！」
陽ちゃんが差し出したホワロンは佐倉さんの目の前でぐるぐると回る。
パクッ
「あ、食べた」
さすが棗に懐いた子。佐倉さんの玩び方も知ってるみたい。
「まだ残ってるみたいだよ。一箱・・10ラビットかな」
星梨は確か5ラビット...それすらもない佐倉さんはホワロンのためにあれやこれやを駆使した。
「さ、佐倉さん..よかったら私貸すよ？10ラビット..」
「いや、えぇんや..絶対自分の手で稼いだる！
・・そうや！あの手があったわ！みんな、手伝って！！」
それから、佐倉さんの指示で流架と陽ちゃんと一緒に小枝を探しにいった。
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作者名：ゆら | 作成日時：2023年9月20日 0時
