学園アリス (ページ27)

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27話ページ27

「なんやいつも威張って偉そうでムカつくやつや思ってたけど、結構ロマンチックな男なんやなぁ」

「そうだ佐倉さん、お礼、言い忘れてた」

「お礼？」

「アリスドッジの時。

あんなに何かに夢中で一生懸命な棗、久しぶりに見た。

表情には出さなかったけど、楽しかったんだと思う。

棗を巻き込んでくれてありがとう」

「うちはなんも...」

「佐倉さんがきてから、棗変わったよ

私も佐倉さんみたいに周りを巻き込める明るい人になりたかったな」

「何言うてるん！教室にAちゃんがおるだけでめっちゃ華やかやで？

めっちゃかわいいし、頭いいし、アリスもすごいし、ほんま尊敬する！」

「佐倉さん...」

「よっしゃ、そしたら棗にはもっともっとわろてもらわんとな！うち楽しい企画いっぱい考えるわ！蛍も委員長も、もちろんるかぴょんも！」

「え、俺も？」

「もちろんや！」

こんなに棗のことを話したのは、流架依頼だった。

普段はあえて話そうとしないのに、今ならいい、むしろ聞いてほしい、そう思った。

棗があの時伝えてくれた言葉を嘘だとは思ってない。

たくさん棗からの愛情は受け取った。

ただ私がそれに応えられているのか、時々不安になる。

ねぇ棗？私、まだ棗の横にいてもいいのかな。