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15話 ページ15
「はぁ...思わず逃げてきちゃった...」
私といる棗はいつも無理してる。
最近みた棗、どんな顔してたっけな。
勝手に任務を遂行して怒られたり、
傷を負って苦しげにしていたり、
「棗が笑った顔、いつみたっけな」
私の心にはずっと佐倉さんが引っかかっていた。
何を言われようとめげずに立ち向かい、
無理難題にも、失敗しながら取り組み、
あの棗までもを、その笑顔の内に取り込んでしまった。
今の私と一緒にいる棗は、私が望んだ棗の姿じゃない。
私が望む棗は・・・
「佐倉さんと一緒に過ごす棗...
っ...あれっ、私...何泣いてるんやろ..」
ｺﾝｺﾝ
「A、いるのか」
「っ...棗、」
「入るぞ」
「待って！！」
「な、お前体調悪いって...」
「大丈夫、大丈夫だから！
・・今は...一人にして欲しい」
「...わかった。明日、迎えにくるから」
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作者名：ゆら | 作成日時：2023年9月20日 0時
