０２ ページ2
.
無理。
無理無理。
待って、息が出来ない。
こんなの聞いてない。
仕事終わりで頭も顔ももうボロボロなのに。
なんで斜め前の席に自担…小瀧望、が座っているのか。
家帰ったら録画してたドラマを見る目的のあの人が。
ライブでもこんなに近い距離で見た事ないあの人が。
ライブ以外で一生出会うことは無いと思っていたあの人が。
大好きなあの人が。
頭が追いつかない。
手が震える。
「ほんとイケメンー！」
「ちょーっかっこいい！」
「はは、ありがとうございます」
「ねー！長澤さんも思うよねぇ？」
『えﾞっ』
隣の女の人に話を振られて、バチッと自担と目が合う。
『か…………………………………………可愛い………………………………』
「え？笑」
「あはは！可愛いって！w」
「可愛い系かー？w」
可愛い。
可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い！！！！！！(;_;)(;_;)(;_;)(;_;)(;_;)(;_;)(;_;)(;_;)(;_;)(;_;)
アイラインを引いたような大きなタレ目、
注目されて真っ赤に染まる耳、
眉毛の上のホクロ、
高い鼻、
ぷっくりした唇、
どっからどう見ても可愛い！！！！無理！！！！吐く！！！！
「かっこいいじゃなくて、可愛いんだ？w」
『…はい、可愛いです……』
「ははっ、あざす。笑」
あぁぁあああ(;_;)
あざすって…！
目じり下げながらニコって照れ笑いしながらあざすって…！私に！！
はぁあーーー無理！！
…待てよ。
ここで、もし私がジャニヲタだということがバレたらどうなる？
場合によっては
《え、ファン？うわー…最悪や…何のつもりなん？》
……きぇぇーーーダメだ。涙
やっぱそうなるよね、そう思われるよね。
小瀧くんってそういうのに嫌いそうだし。
ここは、平常心で興味が無いように接しないと。
……生きる世界線が違う人だもん。
ある程度の距離は保ってた方がいいよね。
中途半端にしてると、自分が傷つきそうだし。
それに、私みたいな中の下の女なんか興味もないだろう。
先輩には感謝して、もう少し拝んだら、
心残りありまくるけど、やっぱり頑張って早く帰ろ……。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 29人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2019年10月4日 12時
