41 ページ42
+
「お先しました」
自分の着ていた服装で部屋に戻ると
「え、それで寝るの？寝巻きみたいなのあるよ。
バスローブみたいなあからさまなのじゃない普通のやつだからそれ着れば？」
と教えてくれた。
「あ、そうなんですね」
「うん。俺シャワー行ってくるから。
その間に着替えときなよ」
彼はそう言ってバスルームへ行ってしまった。
とりあえず言われた通り備え付けの寝巻きに着替える。
寸胴なワンピース型の丈の長い服だ。
リラックスした服に着替えると幾分か気持ちも落ち着いてきた。
しばらくして彼も同じ備え付けの寝巻きで部屋に戻ってくる。
「明日は何する予定だったの？」
「とくに予定はなくて…今日レイトショー見て帰ったら夜遅くなるので、朝は遅くまで寝ようかなと思ってたぐらいで」
「そうなんだ」
枕元のベッドサイドテーブルを挟み、２つのベッドが並んでいる。
私の腰掛けるベッドの向かいに彼は座り、膝を突き合わせて話している。
彼は自分の膝に肘をついて私を見ていた。
「いま好きな人、いる？」
彼の言葉はいつも唐突だ。
「え？いないです」
咄嗟にそう返す。
彼は「いいね」と笑う。
いいね？好きな人がいないことがいいの？
「怖い？」
また聞かれた。
「怖い…こわいというか。主任って計算高いのかなって思って。そういう怖さは少し」
正直に打ち明けた。
「そっか」
少しくすっと笑う。
「だからと言って何もしないよ。
森田さんが望まない限り」
その言い方だと。
計算高いのは認めるんだ…
つまりここまで彼の思惑で来てるってこと？
しかも"何もしない"に条件がついたんだけど…
私が望まない限りって。
そんなの望まないよ、あたりまえなのに。
「望まないです。大丈夫です」
「それは…どうだろうね？」
相変わらず見つめて言ってくる。
「なんでいままで彼氏いなかったんだろうね？
こんなにかわいいのに」
首を傾げて心底不思議だと言うようにそんなことを言い出した。
「…えっと。なぜでしょう」自嘲してしまう。
ここまで恋人ができなかったことを振り返ると、自分に何かしら問題があったのかな、とか思ったりもする。
+
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 208人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にこ(プロフ) - こたさん» コメントありがとうございます！今回は内容的に心配要素が多いので、応援の言葉が沁みます😭ありがとうございます。引き続き楽しんでもらえるよう頑張りますので、よろしくお願いします！ (2022年6月20日 12時) (
レス) id: 719bc577fe (このIDを非表示/違反報告)
こた(プロフ) - はじめまして！にこさんの描くお話がすごく好きです🙇♀️陰ながら応援してます！更新楽しみにしてます💙 (2022年6月19日 22時) (レス) id: 3b0c2534bc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にこ
| 作成日時：2022年5月29日 21時
