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相澤side
A「っ！！ …大丈夫です。」
否定も肯定もしない。つまりYESということである。
━━━━━━━━━ヒーロー、辞めたくないよ…
あの事件の時のAの表情を思い出す。苦しそうで、もう二度と見たくないと強く思った。
…無理に聞くのもあれだな。
『…お前が話したくないのなら深くは聞かない。
でも、少しは頼ることを学べ。』
A「消太さん…。」
Aのどこか不安げな顔があの時の泣きっ面に酷く重なって見えた。
A「ちょっと、ほんとにちょっとだけ…
昔のことを思い出しちゃって、急に不安になってしまったの…」
A「ヒーローを目指せなくなったのが憎い訳じゃない。
勿論消太さんの言葉だって憎んでなんかいないの、むしろあの言葉のおかげで今こうやって幸せに暮らせてると日々思うの…。
でもね、あの時の自分の行動に後悔して…」
「『自分が嫌いになる』」
俺はAの声に重ねて呟く。
A「っ！…なんで分かって…」
『何年一緒に居たと思ってるだ。
お前の言うことくらい分かる。
…この言葉はもう禁止だ。
…使う必要の無い言葉。生きていく上で合理性に欠けるからな』
そしてあの時言えなかった言葉──────。
『…チャンスは何度でもある』
A「っ、！」
【ヒーローなんてやめてくれ…】
あの言葉とは180度違う言葉だろう。
実に理不尽で都合の良い事を言ったことは分かっている。
でも、この12年間の思いを俺は知ってるよ。
ヒーロー志望をやめた後でも毎日ヒーローについて調べてたことも、俺に内緒でジムに通ってたことも、隠れて孤児院で薬を作って、紙芝居をして、折り紙を教えて…
『俺は合理的じゃない事は言わない。
ただ、今のお前がヒーローになれる顔だって思っただけだ…』
人生には起承転結がある。
学生自体のAが力不足だったのではない。
ただ、ヒーローに最適な時が今だっただけ。
A「消太さん、ありがとうございます…！」
顔をあげたAはさっきとは打って変わって清々しい顔をしていた。
彼女のなかで何か変わったようで、なんだか嬉しかった。
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田中太郎(プロフ) - 作者です、コメントありがとうございます！！非公開にしているつもりが公開になっていて、確認出来ていませんでした！ご指摘、ありがとうございます！これからも楽しんで頂けると幸いです。 (2022年12月9日 6時) (
レス) id: 15d93f2a3c (このIDを非表示/違反報告)
Ray@二次元LOVE(プロフ) - コメント失礼します。とても楽しく読ませて頂いております。相澤先生の夢主を思う気持ちから来る言葉にとてもキュンキュンしているのですが、17の最後の言葉が18の冒頭と合わないかと思う部分がある為、ご確認の程宜しくお願いいたします。続きの更新も楽しみにしてます (2022年12月9日 1時) (レス) @page18 id: 0909fd7c4f (このIDを非表示/違反報告)
さとっちゃん(プロフ) - 続き、楽しみにしてます。ぜひ完結まで応援させてください。 (2022年10月19日 3時) (レス) @page15 id: d194679dab (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - 続き楽しみにしてます〜！ (2022年3月19日 15時) (レス) @page14 id: 8675c90994 (このIDを非表示/違反報告)
田中太郎(プロフ) - コメントありがとうございます！至らない点あると思いますがこれからも読んでくださるとありがたいです (2022年3月9日 18時) (レス) id: e6f22cc6bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：田中太郎 | 作成日時：2022年2月24日 18時
