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もの凄い勢いで振り下ろされた刃はギリギリで避けたアリババの髪をかすめ、地面に突き刺さる。
アリババはそのままゴルタスの背後へ周り、右腕を取ってナイフを首にあてがった。
「いきなり何すんだよ!?」
アリババがゴルタスごとジャミルへ向き直り、睨む。
しばらくの間静寂があって、急にジャミルはぱあっと顔を明るくしてパチパチ拍手をする。
「すごいじゃないか、君ィ!子供が今のを避けるなんて、見直してしまったよ!」
「? ハハハ……?」
ジャミルはアハハハハと上機嫌になり、褒められたアリババは困惑しながらもまんざらでもなさそうな顔をする。
────ドスッ、と鈍い音がした。
「に比べて、お前……使えないね」
ジャミルがゴルタスにレイピアを突き刺した音だ。一回でやめる筈もなく、そのまま刺し抉っていく。ぐちゃぐちゃと耳障りな音と共に、小さな肉片や血がぼたぼたと地面に赤い染みを作っていった。
「ましてや、ヒト以下の存在の奴 隷が働き損なうなんて、どう罰すれば罰しきれるのか……このぐらいか!?このぐらいかな?」
ブツブツと独り言を漏らしながらゴルタスの腹を抉っていくのを目の当たりにして、アリババは腰を抜かす。
────普通ではない、イカれてる。
「そうだ、君。僕の役に立ちたいと言っていたね。見直したから働かせてあげるよ。
先頭を歩き、僕らの罠避けになってくれよ。それだったら連れてくけど、やるのかやらないのか。
俺の目を見て、答えろ!!
ああそうだ、女ももう一人いたな。お前、武器を持っているし、そうだな……お前もこいつと一緒に罠避けになってくれよ。それならお前も連れて行ってやろう!」
アリババは震えながらもぱくぱくと、口を動かした。
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作者名:名無しさん | 作成日時:2017年12月30日 21時