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第15夜 完全攻略 ページ30

フムフム、と頷きながらウーゴの話(?)を聞く魔人。やがて話は終わったようで、魔人はこちらに向き直る。

「なるほど。大体の事情はわかりもうした。自己紹介が必要ですな。
 我が名はアモン。礼節と厳格から作られしジンです。そちらでいうところの『迷宮』の、主たる私の元へたどりついた、あなた方の……『迷宮完全攻略(ダンジョンクリア)』を認めます!」

 クリア、という単語を聞いたとたんアラジンとアリババの顔がぱあっと明るくなる。

「クッ、クリアかーっ!!!」









 アリババは元々ただの石の置物だった金銀財宝を、ニコニコと満面の笑みで琥珀にも手伝わせて拾っている。ジャミルとモルジアナは心ここにあらず、といった感じで座り込んでいた。
 アリババと琥珀を倒れた柱に座って眺めていたアラジンはやはり疑問が残っていたらしく、アモンに正直に聞く。

「やあ!アモンくん。僕はアラジン。はじめまして……だよね?」

 アラジンの少しぎこちない挨拶にアモンはニコリ、と優しく笑うとゆっくり喋り出した。

「はい。しかし、私は貴方を知っています。貴方は『マギ』なのですから」

「『マギ』って、なんだい?」

 直球に聞かれ、ウーゴとアモンはアイコンタクトを取って(今のウーゴに目はないのだが)頷くと、アラジンに教えるように、言い聞かせるように話す。

「『マギ』とは、王の選定者。いつの世も、王は魔法使いが選ぶもの。人が群れれば正しくたばねる王が要る。王となるべき者がおる。その者を探し、見抜き、選び、きたえられる賢者を……我らが偉大なる大王は使わされた。
 愛しきソロモンの移し身よ。それが、貴方様なのですよ」



「なあなあ、それより俺のお宝は?」

 雰囲気ブレイカー。

「俺のお宝……クリアってことは、これ持ってっていいの?ねぇ」

「うるさい奴じゃのう、どれでも勝手に持っていけい!!」

 アラジンと話していたアモンも呆れ、ウヒョーッ!!と一人盛り上がるアリババをと、一人こっそり宝を漁る琥珀を尻目に溜め息をつく。

「ハァ、一体なぜ、あんな小僧にしたのですか?」

「なんのことだい?」

 本当になんのことか分からない、といったふうにぼや〜っとアラジンは答えた。

〃→←〃



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作者名:名無しさん | 作成日時:2017年12月30日 21時

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