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ジャミルはアラジンに続け巨大な魔人も目の当たりにし、みっともなく失禁してわあああう、わああうと言葉にならない声を発していた。魔人はそれを品定めするかのように見る。
「フン、お主か？いや、違うのう。黒の器……だが、他人に作られた贋作じゃ。
小娘か？……違うな。縛られた小さな器、だが、強い生命力は感じるのう。お主、は既に力を有しているようだな。お主は……？」
『既に力を有している』
あの魔人は、明らかに琥珀を見つめてそう言った。ならば自分に肩を貸している彼女は、やはり────
ギロ、と睨まれたアリババは小動物よろしくビクッと体を震わせ、さっきまで考えていた事も頭から吹っ飛んでしまった。それより何を言われるかと気が気でないようだ。
だがしばらくして、魔人は何を言うでもなくただプッ、と馬鹿にするように吹き出した。
「なっ、なんだ今のはぁ！」
「ピィピィしゃべるな、聞こえんわ」
ワーワーと抗議するアリババにそう言い捨てると、対話するためか体を小さく縮めて目の前まで下りてくる。魔人が他にはおらんかの、とぼやくとアラジンを見つけうやうやしく頭を下げる。
「これはこれは！────『マギ』よ」
「えっ？僕のこと？」
こんな化け物、もとい魔人が頭を下げている。知り合いなのだろうか。『マギ』とは？アラジンは一体────何者なのだろうか。
アリババがアラジンのことについて考えているとき、ふいにアラジンの笛が光を帯びて一人でにモゾモゾと動きだし、笛から体を出す。
「あっ、あなた様は！！」
先程アラジンを見つけた時より同様する魔人に、ウーゴは両手を前に出し、待てのポーズを取る。
それからウーゴが身振り手振りで彼になにか説明しているように見えるが、伝わっているのかは定かではない。三人は呆気にとられ魔人二人を見つめる。
「何を、話してんだ……！？」
「あれ伝わってんのか？」
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作者名：名無しさん | 作成日時：2017年12月30日 21時
