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―――橋下さんって好きな人いんのかな
2年になれるかが掛かってる大事な時に青木にそんなことを聞かれた。
なんなら今は2人で勉強会している。
『美緒?なんで?』
「俺さ、橋下さんのこと好きなっちゃったかも知んない…」
『へぇ〜、いるってのは聞いてるよ。
相談も受けてる』
「へぇ〜って、興味無さそうだな。
そっか、それなら勝ち目ないよなぁ〜」
口調こそ悲しそうだったが恐らく美緒のことを考えてるんだと思う。
だって顔が輝いてた。
人って恋すると輝くのは本当らしい。
俺もこんな顔してたことあったのかな…
最初は初恋って実らないって言うじゃん。
やめときな、そう思った。
『まぁ、頑張れよ。応援すっから』
でも、こいつのこんな顔見て言えるわけない。
それに、俺と同じになってほしくないと思った。
「そういやーさ、Aの恋バナ聞いたことないよな〜。
俺も言ったんだから教えろよー」
『俺は……』
まだ好きなのかな。
告白したわけじゃないし、別に振られた訳じゃ無いんだよな。
ただ、無理だって思っただけ
『俺の初恋は幼なじみ、かな』
「え、待って!Aって幼なじみとかいんの!?」
幼なじみはずっといないことにしてた。
してたって言うか、話さなかっただけだけど。
そんなのは全くの嘘で高校も一緒だし、
なんなら家、隣だし……
―『浩介は恋愛とか興味あるー?ほら、駿は彼女いんじゃん』
ある日、興味本位で聞いてみたんだ。
―「いや、俺はそういうのよく分かんないんだ。まぁ、気になったら付き合ってみるかな」
―『……そっか、浩介らしいじゃん』
あの時感じた胸の痛みは決して消えることは無い。
1年以上引きずってるとかダサすぎるだろ、俺。
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作者名:エキセントリック | 作成日時:2021年11月9日 14時