１２４話 共感力 [二宮] ページ23
大野さんはゆっくり地面に膝をついた。
智「いつ呼んだんだよ」
笑った顔が見えた。
智「確かに…あんたの力を借りたい時もある」
相葉さんの手をもう一度取って少し引っ張る。
アイコンタクトだけで、一緒に大野さんの近くへ。
智「ニノを助けた時も、俺が呼んだって…？」
俺たちに気が付いて大野さんが見上げた。
何も言わずに続きを待つ。
智「…あんね、
おかしいと思うでしょ。
ずっと一人で喋ってんだもんね」
上手い返事が見つからずに
後ろからきた足音で、体をやっと少し動かす。
『智くん』
智「…んん？」
『人が死ぬって、思ってるよりも辛いです』
智「あは…うん。わかってんよ
俺がそれでおかしくなってるって？」
『そうは思ってないよ』
智「じゃあ、何？」
『違ったらごめん。
でも…やっぱりわかんないんだ』
地面に膝をつくから思わず皆んな手が伸びたけど
彼女は全く気にしない。
『たった7日間一緒にいた人と、そんなに心が通じるのかな…。
30年一緒にいても、悔しいけど…最後になるまで通じなかったよ』
綺麗な顔で笑う。
『智くんが想うとしたら、翔ちゃんじゃない』
智「え…？」
『私にとっての翔ちゃんみたいな、他の誰かを本当は探してるんじゃない？』
智「俺…彼女とか、いないよ？」
『ふふ』
智「笑うな」
『ごめん』
智「とにかく、翔ちゃんは特別なんだよ」
『その人を思い出すから特別なんだよ』
大野さんの肩を持ちたかったけど
なんか、言葉が出てこなかった。
たった7日間一緒にいた人。
それが翔ちゃん。
その事実は変わらなくて、
大野さんが本当に思ってることはわからない。
智「…うん」
『うん』
智「……ごめん…今、言葉が…」
『いいよ』
智「…もうちょっと歩きたい」
こうゆう時の女の人の感覚って
本当にすごいと思う。
共感力ってゆうのか
多分、俺らじゃ読み取れない何かで
大野さんと通じてる。
潤「管理官のことは？……」
相葉さんが首を振ったけど
俺もそうした。
潤くんは考えた後、先に立ち上がって歩き出した。
潤「案内してよ、また後ろ歩くんなら」
大野さんが慌てて追いかけるから
残された吉川さんに手を差し出した。
「やれやれですな」
『ありがと』
その横で相葉さんが猫を抱き上げる。
「あは。やっぱ一番似合いますね」
相葉「でしょ。ほんとは触りたくて仕方なかったんだ〜(笑)管理官さん」
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ふみちゃん - Rachelさん» コメントありがとうございます＾＾励みになります。更新ペースが不定期で恐縮ですが、引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです！ (2021年3月15日 17時) (
レス) id: 407866e2e5 (このIDを非表示/違反報告)
Rachel - このシリーズは本当に泣けてきます。すごく感動するお話でもっともっと読みたいと思うので時間がある時に更新お願いします！ (2021年3月14日 13時) (レス) id: 1b01e77981 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふみちゃん | 作成日時：2021年1月9日 11時
